マナーうんちく話530≪昭和とバブルと礼儀作法≫
行楽の秋到来です。
気候も良くなったので、旅を計画されている人も多いと思います。
ちなみに、あなたはホテル派ですか?それとも旅館派でしょうか?
日本人でありながら、ホテルは使い慣れているけど、旅館にはなじみが薄い人が意外に多いようですね。
そこで、今回は「和風旅館」のマナーに触れてみます。
旅館は、同じ宿泊施設でありながら、ホテルと似た所も有りますが、異なる所が多々あります。
勿論、くつろいだり、楽しんだりするために利用するわけですので、不必要に堅苦しく考えることは有りませんが、「和の礼儀・作法」を心得ていたら、さらに心地よい時間を過ごすことができます。
先ず、旅館とホテルの違いですが、旅館では玄関で靴を脱いで上がる所もありますので、その際、正面から真っすぐ靴を脱いで上がります。
この時、旅館のスタッフが靴の向きを変えたり、揃えたりして下さいますので、ここで「ありがとうございます」「お世話になります」等の言葉を掛けて下さいね。
次に、フロントで手続きを済ませたら、客室係の方が部屋に案内して下さいます。部屋に入ったら荷物を置きますが、ここで注意が必要です。
部屋は和室ですから「床の間」があります。この床の間は、とても神聖な場所だと認識して下さい。
掛け軸が掛けてあり、花が活けてあります。
これは、お客様に対する最高の心遣いです。
従って、床の間には荷物は置かないでください。
荷物は床の間から離れた下座に置かれるのがお勧めです。
荷物を置かれたら、館内の利用方法や避難経路等の説明がありますのでしっかり聞いて下さい。
また、着席を勧められたら問題なのが、床の間の前の上座に誰が座るか?です。
基本的には、上位者や年長者が座ります。
日本の和室は、昔のことを大切にする空間です。従ってレディーファーストの原則は働きませんので、特に若い女性は注意して下さい。
そして先ずは一服です。
お茶を入れて下さいますので、ゆっくり味わって下さい。
お茶はセルフサービスのところもありますが、ぜひ一服して下さいね。
そして、夕食は部屋でいただくようになります。
大体フルコースのようなサービススタイルで、仲居さんがおもてなしをして下さいます。お辞儀や立ち居振る舞い等、色々と参考になることがありますので、注意深く観察されることもお勧めです。
食事が終われば今度は、布団を敷いて下さいます。
この時点で、風呂に入られることを、お勧めします。
要は、食後に風呂に行くことで、食事の後片付けや、布団を敷くのがとてもスムーズにいきます。このことを考えて行動出来れば、かなりのマナー美人です。
大浴場では他のお客さんもいますので、「自分のタオルを浴槽につけない」「はしゃがない」等のマナーが必要です。
大浴場は、プライベートスペースではなく、パブリックスペースですから、後で使用する人のことも視野に入れて行動できる人は、さらにマナー美人です。
旅館は減少傾向にあるようですが、日本固有の伝統文化や自然環境を大切に守り、独特のおもてなしの精神が、国内外のゲストに大きな支持を得ているのも確かで、学ぶべき点は多々あります。
次回は気になる「心付け」について触れてみます。