マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
突然ですが、皆さんは話をするのが、「好きなタイプ」ですか?「嫌いなタイプ」ですか?では、話をする時に、「一方的に話しかけるタイプ」ですか?「どちらかといえば聞き手にまわるタイプ」ですか?
ホテルに入社してフレンチレストランに配属されて間もない頃、ディナータイムに上品な外国のご婦人が一人でお越しになりました。
一番隅の落ち着いた席にご案内して、メニューをお持ちして、オーダーを伺おうとした時、「私はガンで余命いくばくもないので、好きな旅行を楽しんでいる」と流暢な英語で告げられました。
英語には多少自信が有ったのですが、話されている内容は全て理解できませんでしたし、こちらの話したいことがキチンと英語で話せなかったので、互いの思いが全て伝わったわけではありません。
しかし、御夫人の話を真剣に伺い、誠心誠意真心こめてサービスし、お帰りの際に、とても喜んでいただいたのをよく覚えております。
40年位前の話ですが・・・。
あれ以来、「お客さんの話を真摯な態度で聞くこと」は、とても大切なことだと自分に言い聞かせて、仕事に励んだわけです。
「話し上手は聞き上手」と良く言われますが、これに徹すると、ビジネスでもプライベートでも好結果を得られます。
ところで、「自慢話」は如何でしょうか?
自分の自慢話を他人によくするタイプ。
他人に対し、自慢話はしないが、反面、相手の自慢話も聞かないタイプ。
他人の自慢話を笑顔で聞くタイプ。等など様々なタイプの人がいます。
自慢話は他人にしないのがマナーです。
なぜなら、相手が不快になるからです。
自慢話をして、自分の魅力を人に伝えたい気持ちは理解できますが、我慢することも大事です。
しかし、自慢話は、「されたら聞いてあげるのもマナー」です。
なぜなら、自慢話をしている人に好感を与えるからです。
そして、その自慢話を、「すごい」「素晴らしい」「素敵」等と、笑顔で相槌を打ったり、相手の話を繰り返しながら、聞いて上げられる人はマナー美人です。
例えその自慢話がそんなに素晴らしくなくても、「すごい」「素晴らしい」等の言葉が発せられる人は、すなわち心にゆとりの有る人です。
ちなみに、日本人は殆どの人は、会話が苦手だと思います。
ではどうすればいいの?となりますが、これについての妙薬は有りません。
ただし、あまり前向きな対応ではありませんが、「つまらない話し」は避ける、という手は有ります。
つまらない話しとは、「自慢話」「愚痴」「昔話」等です。
だから、自慢話は、「するタイプ」より「聞くタイプ」がお勧めです。
そうはいっても、就活や婚活や営業等で自分を売り込む必要がある時も多々あります。
その際には、自慢話の一つや二つは必要な時があります。
このような時には、いきなり自慢話に入るのではなく、最初は自分を一旦下げて、次に「自慢話」に移ることをお勧めします。
先ず自分を下げて謙虚になることです。
これにより、相手の信頼を買い気持を引きつける効果が期待できます。
しかし、下げっぱなしではいけませんので、次に自慢話に移ります。
自慢話は、くどくどと、あれやこれやとしないで、一番言いたいことを端的に述べて下さい。
これは様々な場面で応用ができますので、是非参考にして下さい。