マナーうんちく話325≪サザエさんの食卓≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

皆さんは、上水道、ガス、電気の無い台所を思い浮かべることができますか?
つい60年位前の日本の台所がそうです。

当時の一般的な台所は、井戸水に、かまど・流し台・食器棚・鍋・ザルくらいで、調味料と言えば、味噌・醤油・塩・酢・油位でしょうか。
質素と言う表現がぴったりの台所です。
そして食卓には「ちゃぶ台」が用意されます。

それから半世紀余り経過しますが、現在の日本の台所は贅沢そのものです。
ガスやオール電化のコンロに、調理器具も和食・洋食・中華セットが完備し、さらに、調味料も、わけのわからないほどぎっしり詰まっています。
加えて、豪華なダイニングテーブルが備えられています。

今の日本の台所は、世界一物持ちであり、世界各国の料理を堪能できます。すばらしいことです。

ところで、テレビ・雑誌・新聞等でおなじみの「サザエさん」はお好きですか?

頭が薄く、人の良い小柄のお父さんに、少し控えめなお母さん。
そして、いつも陽気で元気な主役のサザエさんに、旦那さんと、子どもたち。
これがサザエさんの家族である磯野家です。

戦後の日本の、平和な家庭を象徴する漫画で、いつ見ても、ほのぼの感が漂い、気持ちが安らぎます。

特に、ちゃぶ台を囲んでの、家族団らんのシーンがいいですね。
長谷川町子さんの作品ですが、登場人物は、すべて海にちなんだ名前がついています。

スタートが昭和21年ですからもう65年にもなります。
昭和21年と言えば、私はまだ生まれておりませんが、敗戦間もない頃で、食卓にはまだ何もなく、皆飢えていた時代です。
そして、苦労しながらも、皆けなげに頑張っていた頃です。

今では、すっかり「飽食」や「美食」に慣れ、さらに「孤食」が珍しくなくなり、漫画に描かれている磯野家とは、ずいぶん様子が異なりました。

しかし、未だに根強い人気があると言うことは、日本人の多くが、磯野家のような団らんの有る生活にあこがれているのではないでしょうか。

磯野家の人は半世紀たっても誰も年を取りませんが、今の世の中は、かって世界が経験したことが無いような猛スピードで大きく変わっています。

しかし、世の中がいくら変わっても、「家族の団らん」は絶対に必要だと言うことですね。

モノには不自由したが、常に家族の団らんが有った時代。
モノには恵まれたが、家族の絆がすっかり希薄化した時代。

どちらを優先するか?
個人的には「家族の暖かいお喋り」を取りたいですが、皆さんは如何ですか?


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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