マナーうんちく話281≪彼女同伴フレンチのマナー⑤≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

彼女同伴時のフレンチレストランでのマナー⑤「ドリンクの注文とワインのテイスティング」

料理が決まったら、次は飲み物です。よく、「フランス料理とワインは夫婦のようなものだ」と言われますが、まさにその通りだと思います。

従って、酒は飲めないより、飲めた方が、はるかに食事が楽しくなると思うわけです。だから、マイカーなどでの来店は極力避けてほしいと思います。

ところで酒には、製法上の分類としては、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒(混合酒)」がありますが、飲み方による分類としては、「食前酒」「食中酒」「食後酒」があります。

居酒屋に行けば、飲み物は「とりあえずビール!」になる人も多いと思いますが、フランス料理では少し寂しい気がします。

フランス料理は、料理の知識も複雑多様ですが、それに伴う飲み物もしかりです。最初は食前酒、すなわち「アペリティフ」が良いです。
この食前酒を何にするか?迷うところですが、ここが肝心です。

有名な食前酒としては、シェリー酒、ベルモット等がありますが、飲み慣れていなかったら、白ワインとかシャンパンがお勧めです。

問題は、太郎と花子が、どれだけ酒に強いか否かです。
どちらも飲めるタイプでしたら、シャンパンか辛口の白ワインがお勧めですが、あまり飲めないタイプでしたら、甘口の口当たりの良い、白ワインかロゼワイン等がお勧めです。程度にもよりますが、グラスワインでも可能です。

白ワインもシャンパンも、最適の「食前酒」であり「食中酒」になりますので、フランス料理には一番合うと思います。

ソムリエが相談に乗ってくれますから、好みのドリンクと予算を告げ、料理にマッチした銘柄を選んでいただいたらいいです。

ちなみに、料理もそうでしたが、アペリティフもオーダーするのは太郎の役割です。

ところで、シャンパンはそうでもありませんが、ワインをボトルでオーダーしたら、太郎はワインの「テイスティング」を担当するようになります。

すこし、キザな格好になったり、恥ずかしい気がするかもしれませんが、ここは堂々として下さい。花子に対して、最高のもてなしになります。
花子も、太郎の、その仕草にうっとりです。

決して、難しく考えて頂くことは有りません。
オーダーしたワインの品定めと受け取って下されば良いと思いますが、これは太郎と花子の食事会に、大きな花を添えてくれる、最良のイベントになるはずです。またビジネスでの接待などでも功を奏します。

ワインのテイスティングのポイントは、「見る」「嗅ぐ」「味わう」の3点です。

先ず、ソムリエが、オーダーしたワインのボトルを見せてくれます。この時は、ワインリストに掲載されている情報、例えば品名やビンテージ(収穫年度)等が一致しているかどうかを、直接太郎の目で確認します。

この際、フランスワインならフランス語、ドイツワインならドイツ語表示になっています。特にドイツ語なんかはよく理解できないかもしれませんが、私の経験ではまず異なることは有りませんので、了解して頂ければ良いと思います。

次に、グラスに3分の1程度、ワインを注いでくれますから、ワイングラスの柄を取り、色を見て、臭いを嗅いで、ワインを少し口に含み味を確かめて下さい。

そしてOKのサインを出していただいたら完璧です。
ソムリエは、花子から先にそのワインを注いでくれます。
この時、花子はくれぐれも、ワイングラスを持ち上げないでくださいね。
次に太郎のグラスに注いでくれます。

二人で、ワイングラスを目の高さまで上げ、互いに目を見て、笑顔で乾杯して下さい。この時、口上を述べるのは太郎の役割です。
ありきたりですが、「二人の未来のために乾杯!」

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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