マナーうんちく話510≪「異動する人」「迎え入れる側」のマナー≫
電話は相手が見えないコミュニケーションです。
また、相手の都合も解りません。
つまり、相手の都合に関係なく、一方的に話しかけるという性格を持っています、だから電話をかける時は、緊急時を除き、出来る限り相手の都合を予測する必要が有ります。朝・昼・夕食時間帯や昼休み中は避けるなどの配慮が必要です。
また、電話番号に間違いが無いように確認することは、大切なマナーです。
今回は電話の「かけ方」のマナーですが、「かけ方」と「受け方」には、基本的な流れが有ります。
①かける時の準備が必要です。
電話番号、名前、部署等を確認し、メモの用意をして下さい。
予め、「話の筋道」を立てておくことがポイントです。
②電話をかけ、通じたら、先ずは自分の名前を名乗ることです。
「わたくし、平松産業の平松と申します。営業の山田様はいらっしゃいますか」or「いつもお世話になっております。わたくし平松産業の平松と申します。営業の山田様をお願いいたします」等がベターですね。
※名前を名乗る時は「○○○○と申します」とはっきり言って下さい。
※山田様が電話に出たら、再度名前を名乗って下さい。
例えば、「山田様いつもお世話になっています。平松産業の平松と申します」のように名乗ります。
③相手の都合を確認して下さい。
「×××の件で電話いたしましたが、今よろしいでしょうか?」「×××の件で、今お話ししてもよろしいでしょうか」ように・・・。
※予め長電話になるようでしたら、冒頭にその旨を伝え了解を取って下さい。
相手にも都合が有ります。
④用件を伝えて下さい。
具体的な話をして、最後に確認します。
「・・・ですがよろしいでしょうか?」「・・・ですが、何かご不明な点はございませんか?」などです。
※相手が不在の場合は、伝言をお願いします。
「誠に恐れ入りますが、平松から電話が有ったことをお伝えいただけますでしょうか?」等がお勧めです。
※こちらからかけなおす時には、日時も伝えて下さい。
※相手からかけなおすと言われたら、所属部署、電話番号、在社している時間も伝えて下さい。そして折り返しかけていただいたら、「わざわざ恐れ入ります」等と、お礼の言葉を先に発して、話をして下さい。
⑤終わりの挨拶をして静かに電話を切ります。
「ありがとうございました」or「失礼いたします」などです。
※「電話応対のマナー」でもお話ししましたが、基本的には電話は、かけた方から切りますが、相手が目上の人や、大切なお客様の場合、あるいは、お礼やお詫びの電話でしたら、相手が切ってから、こちらが切るほうが丁寧な印象を与えます。
1890年に日本で初めて東京と横浜間で、電話交換業務がスタートした時には、電話はごく一部の特権階級の人しか所有できません。そして今のように直通ではありませんから、電話交換手が電話を中継します。
その際、「申します・申します」と言って中継した言葉が、やがて短縮されて「モシモシ」になったようですが、いかに電話が進歩してもこの言葉は生き続けています。
そして、その根底には、やはり相手を敬う、日本人独特の優しい気持ちが残っているのかもしれませんね。
単なる感覚の相違でしょうが、英語の「ハロー」より、日本語の「もしもし」のほうが、ずっとなじめる気がします。
皆さんは如何でしょうか?