マナーうんちく話565≪織姫と彦星はなぜ一年に一度しか会えないの?≫
前回は、結婚するに際し、明確な目的を持つことをお勧めしました。
そしてその目的は10人10色です。
しかし理由は様々でも、皆一様に、「結婚して幸せになりたい」と願います。
「良縁」を求め、「婚活」に精を出すのはそのためですね。
それでは、「良縁」とは何だと思いますか?
「良い人に巡り合って結婚できればいい」というような短絡的なものではありません。
良縁とは、理想の人に出会い、愛を実らせ、結婚し、その後二人で努力して、幸せな家庭を築き、それを末永く維持していくことだと認識して下さい。
つまり、結婚はゴールではなく、スタートだと言うことですね。
特に女性は、殆どの場合において、夫の姓を名乗るようになりますから、まさに「新たなスタート」になります。
そして、このスタート点に立った時に、互いに協力し合って、努力して、幸せな家庭を築くことが大切です。
互いに、もう一人ではないのですから、相手を尊重し、思いやる心を持つ事が大切です、
当然、それらを具体的に言葉や態度で表現することも不可欠です。
要は、互いに相手に対し素敵なマナーを発揮して下さいと言うことです。
加えて、それなりの決意も我慢も必要です。
「平和な仲の良い夫婦ほど お互いに難しい努力をしあっているのだ、ということを見逃してはならない。」(野上弥生子)
「右の靴は左の足には合わない。でも両方ないと一足とは言わない。」(山本有三)
明治・大正から昭和にかけて活躍した作家の言葉ですが、いずれも夫婦の努力・忍耐・協力を説いた言葉です。
また、ドイツの哲学者ニーチェは「夫婦生活は長い会話」だと言っています。
どんな時にも円滑なコミュニケーションをお忘れなく。
ちなみに、ここ半世紀で、離婚は3倍以上になっています。
離婚に至るにはそれなりの理由が有りますが、多くの場合はコミュニケーション不足に起因します。
また、結婚する前に描いていた姿と現実が、あまりにもかけ離れていると嘆くカップルも珍しくありません。
確かに、結婚に際し多くの希望を抱いたり、夢を持つことは悪いことではないと思います。夢や希望が有るからキラキラ輝けるのかもしれませんね。
実際に私が結婚式を担当した約1000カップルもそうでした。
しかし、「分相応」という言葉が有ります。
「身の丈を知る」ともいいます。
これらは、「夢を見るな!」「 高望みをするな!」「現状に妥協しろ!」の意味ではありません。
何かと比較するのではなく、相手との関わりも含めて、モノの見方や考え方、さらにはライフスタイル等が円滑で調和が取れていることが大切である。という意味です。
結婚披露宴の挨拶によく登場した、「琴瑟相和す(きんしつあいわす)」という言葉が有ります。琴も瑟も古代中国の弦楽器です。弦の数が異なる二つの楽器が、合奏して音が良く合う、つまり、「夫婦仲がむつましく良く調和する」と言う意味です。
結婚に過度の希望や夢を抱かないようにして下さい。舞い上がるのではなく、しっかり地に足を付け、現実をしっかり見つめて、賢いスタートを切って下さい。
最近は、結婚式で個性というキーワードが好まれているようです。
だったら、結婚後も、「自分流の幸せとは何か?」、この点を良く考えて下さい。
自分の幸せは伴侶の幸せ。伴侶の幸せは自分の幸せ。
長い人生、共有する相手がいる。
朝起きたら、美味しいコーヒーを共に味わえる人がいる。
これが結婚して味わう本当の幸せだと、私は思いますが如何でしょうか?
6月10日(日)正午から午後2時30分まで、倉敷市下津井の「鷲羽ハイランドホテル」主催の「母と娘の花嫁講座レッスン1」の時間で、結婚が決まった時の挨拶の仕方等と共に、このようなお話をいたします。詳しくはセミナー・イベント欄を参考にして下さい。