マナーうんちく話535≪五風十雨≫
クリスマスが終わり、迎春ムードがにわかに高まって来たところで、今日から日本人にとって最もなじみの深い年末・年始・正月のしきたりとマナーについて触れてみます。
先ず、「正月」についての解説です。
正月は「一年の始まり」であることはどなたもご存知のことですが、早い話し、正月とは、「神様になられたご先祖様の里帰りの日」です。
ご先祖さまは、子孫が元気に頑張っているかどうか?様子を伺いに帰られるわけです。
そして、それぞれの家庭では、この神様をお迎えし、共に新年を祝い、その年の豊作や家内安全を祈願します。
その神様をお迎えするために、しめ縄飾りをし、餅をつき、門松を立てたりします。
そして里帰りされた神様と共に食事をします。
いわゆる「神人共食」です。その時のご馳走が「お雑煮」であり、「おせち料理」で、それらを食べる時に使用する箸が「祝い箸」です。
また、正月という言葉は中国からもたらされたそうですが、本来の意味は1月の別称です。加えて、元旦は「一番最初の一番初め」という意味、つまり1月1日という意味です。よく年賀状の日付に「1月元旦」「正月元旦」と書かれている方がおられますが、これは良くないですね。
さらに、1日から3日までを「三が日」、7日までを「松の内」と呼びます。すなわち「門松」が有る期間です。また年賀状は、少なくとも松の内までには届くようにして下さい。
ちなみに松の内を過ぎたら、2月の立春までが「寒中見舞い」、それを過ぎたら「余寒見舞い」になります。
ところで、1日から7日までの期間は、新年を祝い、「今年も良い年になりますように」との願いを込め、様々なしきたりが有ります。
「初日の出」「初詣」「年始回り」「お年玉」「書き初め」「凧揚げ」「羽根つき」「七草」「鏡開き」等などです。
それから、元旦の朝には互いに、「新年おめでとうございます」とか「明けましておめでとうございます」と挨拶を交わしますが、これは新しい命の誕生を表す祝いの言葉です。
以上、正月について簡単に触れてみましたが、以後、正月にまつわる「食事」「行事」「縁起担ぎ」等に分類し、さらに詳しくお話しを進めてまいります。
日本人が古来より大切に育汲んで来た、「正月の意味や意義」をよりご理解いただき、例年より心豊かに正月を迎え、過ごし、夫婦・家族・親族・地域間における絆を一層深めて頂ければ嬉しい限りです。