マナーうんちく話706《結婚式の心付けのマナー》
【冠婚葬祭の知識とマナー22】 本当にこれでいいのか?現代の恋愛事情!
江戸時代までの庶民の恋愛観は大変おおらかだったようですが、明治時代になると大きく変化してきます。
早い話、「男女七歳にして席を同じうせず」です。
「席を同じうせず」とは、座る所も寝る所も異なるということです。
さらに「…席を同じうせず」の後に「食を共にせず」と続きます。
要は、明治時代になったとたんに、新しい道徳観が生まれ、男女の仲はいまでは考えられないほど窮屈になりました。
学校も尋常小学校を終えると、殆どの人は社会人になっていたのですが、中にはさらに上級学校に進学します。そして、この時点から男女共学はなくなります。
男性は旧制の中学・高校になり、女性は旧制の女学校になります。
このような社会では、カフェ等が存在していたものの、男女間における自由恋愛なんてとても無理です。まして婚前交渉なんてありえない話になります。
従って結婚ということになると、殆どのケースが「お見合い結婚」、それも家が決めた相手が多かったようです。いうまでもなく「家長制度」がそれを助長していたのですね。
そして戦後。
高度経済成長と共に、多くの若者たちは仕事にも恵まれ、生活が豊かになるにつれ、自由恋愛に再び花が咲き始めます。
そして、「家制度」が崩壊し、核家族化が進展し、家族や地域の絆が希薄になり、今までの環境が大きく異なりました。こうなると恋愛や結婚に対して干渉も束縛もなくなり、自由に恋愛できる環境が整いました。恋愛結婚が主流を占めるようになったのもこの頃です。
見合いにしても、「結婚するか否か」の選択権は当事者に委ねられるようになり、まさに理想的な状況であったと思います。
ホテルでブライダルに携わっていた私が担当したカップルも、殆どが恋愛を楽しんだカップルでした。また新郎から、恋愛に関する武勇伝等も沢山聞かせて頂きました。
そして、かれこれ五-六年前からでしょうか?
「草食系男」と「肉食系女」の登場です。
出世、恋愛、セックスなどに積極的でない「草食系男」と、そんな「草食系男」を攻略しようとする「肉食系女」の登場ですね。
男性に口説かれるのをひたすら待っているのではなく、女性から男性を口説きに行くという傾向が目立ち始めたということですね。
挙句の果てには、「草食系男の口説き方」「草食系男の落とし方」等の本も出版されるようになり、女性が男性をコントロールするようになったといわれております。
草食系男に対する認識も多様です。「男らしくない」「魅力的でないから嫌い」という人もいれば、「優しくて家庭を大事にしてくれそうだから大好き」という人もいます。
しかしいずれにせよ、このような男性が急激に増えた以上、女性としては恋愛や婚活に対し、大幅に戦略を変えなくてはいけないことは確かです。
キーワードは「責める」でしょうか?
明治以前の「おおらかな恋愛」、そして明治から終戦における厳格な中にも「良妻賢母型の恋愛」、さらに再び「理想的な自由恋愛時代」を経てきたわけですが、いずれも社会背景からして頷けるものばかりです。
しかし、今の恋愛事情は、私にとっては理解に苦しむことだらけです。