マナーうんちく話96≪西欧のテーブルマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

マナーうんちく話97《西欧のテーブルマナー》

食事のマナー21、「洋食会場ではレディーファーストがお勧めです」

西欧のテーブルマナーに触れる目的は三つあります。
①西洋諸国の食文化の理解。
②フォーク・ナイフ、スプン、グラス類を正しく使用し、食を楽しむ。
③国際化が急激に進展する中、西欧のテーブルマナーを把握し、円滑なコミュニケーションに役立てる。等です。

■レディーファーストのお勧め
いきなりですが、ここで質問です!
ホテルのフレンチレストランに太郎と花子が行きました。太郎と花子は夫婦(恋人関係)です。レストランの入り口で、黒服(レストランの支配人orキャプテン)が、二人を席まで案内してくれます。この時、黒服のすぐ後ろを歩くのは太郎、花子のどちらでしょうか?

正解は花子です。
この時からすでに「レディーファーストの原則」に則っています。洋食の店では、店に入る時、席に就く時にはレディーファーストです。たとえ、物理的に太郎が後ろを歩くことになったら、太郎は花子が先に着席するのを立ったまま見届けます。
この時、黒服が最初に引いてくれた席が上座で、そこに花子が先に座るということです。
この時花子は遠慮してはいけません。大袈裟な表現かもしれませんが、女王様気取りで振舞って下さい。ありがとうの言葉をかけ、椅子の前に位置します。黒服が椅子を押してくれます。そのまま座り、姿勢を正します。
黒服がいなかったら、太郎が花子の椅子を引いてあげて下さい。
恥ずかしがらないことがポイントです。
花子は、太郎がレディーファースト心を発揮したら、それをすばやく察知して、ありがとうの言葉や笑顔で答えて下さいね。太郎も花子も慣れることが一番です。

■優雅な着席
椅子に入る時には基本的には左側から入ります。席を立つ時もしかりです。
長テーブルに大勢の人が座る時、ある人は左から、ある人は右から座ったのでは混乱をきたします。そこで、プロトコール(国際儀礼・外交儀礼)で、「椅子に左から入り、左から出る」というルールが決められたわけです。
このルールから言えば、女性のバッグも当然椅子の左側の床がいいですね。なを、バッグ類は間違ってもテーブルの上には置かないでくださいね。洋食のテーブルは皿の上と同じ感覚です。

ちなみに、黒服が椅子を引いてくれたら、1、椅子の左に位置する。 2、椅子の前に行く。 3、座る。この1、2、3拍子が優雅な座り方です。そういえば、和食で箸を持つ時も、襖を開ける時も、1,2,3拍子でしたね。
また、椅子と身体との間は、握りこぶし二つ半位が理想です。

■メニューの選び方のポイント
フランス料理が世界屈指の料理になった理由は、フランスの味覚教育も勿論ですが、フランス料理のソースに、その大きな要因があると思います。ソースの種類が多いということと、それらが美味だということです。私もホテル勤務中はフランス料理辞典と共に、ソース辞典も離せませんでした。それ位ソースが多くて、それらが殆どフランス語で表現されているので、理解できなくて当然。聴くのが一番です。

また「コース料理」はコレ下さいで済みますが、「一品料理(ア・ラ・カルト))は難しいですね。魚や肉料理一品だけでもいいですが、それらは、注文を受けて料理に取り掛かるので、かなり待つことになります。その前に「前菜」を注文されるのもお勧めです。

■飲み物の選び方
食前酒(アペリティフ)の選び方も難しいですね。居酒屋なら、「とりあえずビール」と言うのが相場ですが、フランス料理なら、シェリーらベルモット等もお勧めですが、正直いって普段飲み慣れていなかったら、あまり美味しいとは感じないと思います。
やはり、シャンパン、ワインがお勧めです。
料理のメニューとは別に、「ワインリスト」が出てきます。これをじっくり見て、どれにしょうか?等と、料理との相性を考えながら選ぶ楽しみが持てたら素晴らしいです。しかし、一般の人にはまず無理ですので、係(ウエイター・ソムリエ)の人に相談されるのがお勧めです。予算、白ワインなら甘口・辛口等、赤ワインなら「軽い」「重い」等の希望を述べればいいです。酒の種類・グラス・マナーなどについては後ほど触れて参ります。





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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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