第4回公認心理師試験振り返り 事例問題問63

井上博文

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テーマ:公認心理師試験対策

問63公認心理師Aが主演者である学会発表において、実験結果の報告のためのスライドを準備している。実験の背景、目的、結果、考察などをまとめた。Aは他者の先行研究で示された実験結果の一部を参考論文から抜き出し、出所を明らかにすることなく自分のデータとして図を含めてスライドに記述した。
このまま発表する場合、該当する不正行為を1つ選べ。
①盗用
②改ざん
③ねつ造
④多重投稿
⑤利益相反


正答は①です。これはサービス問題と言っていいのではないかと思います。ここで出てくる選択肢は、前々首相のようにそういったことをしてはいけないということをわからない人には解けない問題だと思いますが、よほど特殊な人ではない限り、普通の人は解けるでしょう。
盗用はいわゆるパクリというやつでウィキペディアでは「他の研究者のデータ、図、表、文章、研究結果などを引用せずに、あたかも自分が得た(書いた)かのように発表する行為である」とのことです。最近、大学の先生が、教え子の論文を盗用したというケースがちょくちょくありますが、最近は、理系論文は特に多いのですが、複数執筆者が名を連ね、主指導の先生もそこに名前があるので、自分のものとして、引用すると、主執筆の教え子が、すでに別のところで発表していた、なんてこともあるようですが、真偽はさておき、それでも許されることではありません。
改ざんはネット検索レベルでは「文書、記録等の全部又は一部が、本来なされるべきでない時期に、本来なされるべきでない形式や内容などに変更されること、すること、をいう。故意の場合も過失の場合もともに含み、悪意の有無を問わない」ということです。悪意の有無を問わないということは、あまり意識したことはなかったですが、気をつけておくべきでしょう。元首相のように、自分の嘘を正当化するために改ざんさせるのは、研究としても公務としても人間としてもやってはいけないことです。
ねつ造は、ウィキペディアでは「実際になかったことを故意に事実のように仕立て上げること。「捏」の読み方は古くは「デツ」であるため、でっち上げの語源ともなっている」とのことです。でっち上げの語源とは考えたこともありませんでした。

多重投稿はそのままです。利益相反は、ちょっと難しい言葉です。これもウィキペディアによれば、「(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態をいう」とのことです。研究者で言うならば、ある企業から研究補助をもらって何らかの商品を開発する研究をしていたとすると、所属先の大学の立場で、別の(例えば)企業から資金を得て、同種の商品を開発していると、競合してしまいます。こういったことはたいていは契約書の中に記載されています。

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