公認心理師試験 事例問題対策⑨
前回の続きです。
この連載は日本語力だけで何とかなると言っているわけではなく、日本語力を意識して磨くことで、選択肢が減ったり、余計な間違いを減らしたり、誰であっても知識ゼロの問題も必ず出てしまいますが、その場合でも、日本語力で何とかなるものもいくつか含まれます。逆に
第3回公認心理師試験
問16精神分析理論の防衛機制に関する実験的研究の結果を基盤に発展した心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
①SCT
②TAT
③MMPI
④P-Fスタディ
⑤ロールシャッハ・テスト
正答は④ですが、もちろん、心理を専門にする人からすると、基本問題だと思います。でもこれは知っていればできますし、知らなければ、運任せになります。迷うと余計間違えますし、時間がもったいないところです。私は今年の研究計画でたまたまP-Fを使った人がいて、たまたまこれを知っていました。
一方、
問17公認心理師が心理相談での記録や報告を行う際に留意することとして、最も適切なものを1つ選べ。
①病院からの紹介状への返事は、クライエントには見せない。
②守秘義務があるため、面接内容は自身の上司には報告しない。
③録音は、クライエントを刺激しないために気づかれないように行う。
④心理検査の報告は、検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使って書く。
⑤インテーク面接の記録には、観察事項に基づいた面接時の印象も併せて記録する。
こういった問題は、私はしっかり構えます。
まずは問題文のワードから、主語「公認心理師が」状況「心理相談で」記録や報告(誰にかが不明確)の際、「留意点」=問われているのはこれです。ただ、ポイントは留意点そのものよりも誰に対してかが不明確な記録や報告の部分です。こういったポイントに早く気付くと解きやすくなります。正答は⑤です。
①病院からの紹介状への返事は、クライエントには見せない。
この「~ない」系は確率が下がるので、保留ですが、見せない理由が書いていないということは「無条件で見せない」と読み取れますので、まず外せます。
②守秘義務があるため、面接内容は自身の上司には報告しない。
前半の守秘義務は
第41条「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする」
これは「告訴がなければ公訴を提起することができない」とありますから、確かにあります。しかし、法律にも「正当な理由がなく」と留保がありますから、この場合上司が正当な理由を言えば、開示はあり得るということです。また連携を取ることも重要です。
③録音は、クライエントを刺激しないために気づかれないように行う。
これは論外で良いと思いますが、「クライエントを刺激しない」ことを目的に、こそっとするわけですが、②が法律ベースになっていることを思えば、あまりにも漠然としています。となると、この文章のコンセプトとしては主語の公認心理師が「録音することが前提」ということです。法律に「心理相談は録音しないといけない」とあれば別ですが、それはまずないでしょう。
ちなみに私はクライエントに「先週の録音を聞いたらね」と言われて、「録音してたんかいな」とびっくりしたことがあります。
④心理検査の報告は、検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使って書く。
これも論外でいいと思うのですが、「~にかかわらず」とあると、正答の確率は下がると思います。そもそも「検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使って書く」の意味が不明瞭です。検査を依頼したのが、多分主語の公認心理師ですが、だとすると公認心理師が自分で検査をしていなくて、明記のない誰か別の職種の人に依頼するわけですが、そこから返ってた所見?を専門用語を使って書く?何を書くんだろう?書き直しするのだろうか?という感じです。ちょっと意味不明です。
⑤は普通のことが書いていますが、確かに印象を書きすぎると良くはないでしょうが、ある程度インテーカーの主観は聞きたいところです。単純に「どんな人だろう?」という疑問は誰でも持ちますし、結構聞きたいものです。
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