日本の大学の来し方行く末
科学技術「基盤的な力、急激に弱まる」 論文数減少、主要国で日本のみ 白書を閣議決定という記事を見ました。
こちら
また閣議決定ですが、ロクなことを閣議決定しない内閣です。なんでそうなったかと言うと、あからさまな失政がもたらした結果です。他人事のように、と言いますか、ほとんど教養に関心があるように思えない内閣ですから、興味がないのでしょう。
「白書によると、日本の研究者による論文数は、04年の6万8千本をピークに減り、15年は6万2千本になった。主要国で減少しているのは日本だけだという。同期間に中国は約5倍に増えて24万7千本に、米国も23%増の27万2千本になった」
だそうです。もはや桁が違います。当然、引用される確率も減ります。
「白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府には研究への十分な投資や、若手研究者が腰をすえて研究に取り組める「環境の整備」などを求めた」
白書が誰が書くのかは正確には知りませんが、会議やペーパーワークを増やしているのは、明らかに白書を作る側であり、政府の側であり、国という名前の役所の側です。堂々と嘘をつき、堂々と公文書を改竄する連中がペーパーを証拠として採用するのですから、悪い冗談でしかありません。無駄なのは承知していますが、一回くらい反省してみたらいかがかと心から思います。大学の教員は、専任教員になったら研究ができなくなります。会議を筆頭として、研究以外の業務に忙殺され尽くすからです。失礼ながら、会議やペーパーワークに向かない先生もたくさんおられます。科研費の申請に始まり、多種多様なペーパーワークをこなすその姿は、もはや教師でも研究者でもありません。生徒指導もままならない先生が大半です。
一方で大学の教員の半分が非常勤講師だという記事も最近話題になりました。
こちら
こちらも国の失政です。まさに高学歴ワーキングプアを輩出する専門機関と化しています。相対的貧困を支えているのは無職博士ではないかと思います。非常勤講師は社会的弱者です。出口を考えずに大学院生、博士を増やした結果が今の惨状です。私自身も、研究者助成をわずかながらですが、しています。なんとかして、若手研究者が、綺麗事ではなく、少しでも食べていける環境を作ることが必要です。
専任教員も失政の波に飲まれ、非常勤講師は失政の荒波に飲み込まれてしまい、この国の研究の人材は政府と国を騙る役所によって滅茶苦茶に蹂躙されています。大学をビジネスと言ってはばからない人物が理事長になっている学校法人が、総理大臣とお友達ということで、あからさまな優遇を受けるような国です。大学教育に対するこういった連中の支配構造の中で、世界との比較だけは一人前以上にされながらも、ノーベル賞を獲得できる研究者もまだいるこの国の研究者の底力にむしろ驚嘆します。どこかの漫画に出てきそうなくらいのハンディキャップをこの国の研究者は乗り越えながら研究をしています。せめてこの枷さえ取れれば、この国の研究者は十分に世界で通用すると私は信じて疑いません。何度でも言いますが、この国の研究者の能力が落ちたわけでは決してないのです。
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