グローバルとは①

井上博文

井上博文

テーマ:大学院に行くメリット

イギリスのEU離脱に関する国民投票が世界中を大きく騒がせています。おそらくまだ時間があるでしょうから、国内外で離脱をさせないように説得がなされると思いますが、次の首相は就任前から大変な舵取りになります。なった人はそれだけで尊敬されるべきでしょう。ここからEU側とイギリスの論戦は、グローバルという言葉が大好きな人々にとっては、大いに勉強になるでしょう。世間がグローバルと言い始めて、かなりの時間がたちました。グローバルとは地球規模とか世界規模を指す言葉でしょうから、枠を広げてものを考えること自体は大切なことです。おそらく、国境線を重視する「国際」という言葉とは、また違った概念で一般化したものだと考えられます。既存の共産主義や社会主義などの政治的な理念ともまた少し違った概念とも言えます。しかし、そうは言っても、実際のところ、グローバルの定義は不明確ですし、政治用語か、教育用語か、はたまた経済用語かも曖昧です。どうも響きが先行しているようです。そろそろ、このグローバルについて、哲学的な考察が必要な時期に来ているはずです。しかし、この国は、スーパーグローバル大学などというものを設定しています。この大学とグローバル化について内田樹氏が非常に鋭い指摘をしておられます。ここで指摘されるグローバル化の指標は、①留学生派遣数、②外国人留学生受け入れ数、③外国人教員数、④英語による授業数、⑤海外提携校数、⑥TOEFL目標スコアとのことです。英語が、世界共通言語になっているのは間違いありませんので、これらが指標にならないとは言わないまでも、これで、今回のEUの問題と、これからのEUの行く末を予測できる人はどのくらい育つのでしょうか。そろそろ大学も規模を大きくすることに力を注ぐことを止めて、質を高める方向に動かねばならないはずです。かつて仏教は、紀元前後ごろには、故国インドを飛び出して、ガンダーラを越え、シルクロードを越えて、中国に来ていました。口で言うのは簡単ですが、生産力を放棄した出家者が、他人からもらう食事だけをたよりに、気の遠くなる距離を旅して、そこに仏教文化を根付かせてきたのです。各地で壮大なドラマがあったでしょう。人知れず、砂に埋もれた人もいたでしょう。戦火に飲み込まれた人は、大量にいたでしょう。地域に受け入れられず、干からびた人もたくさんいたでしょう。それでも仏教は、無数の言語に変化して、翻訳され、少しずつ形を変えて、地球規模で広がり、生き残ったのです。果てはこの日本で大きく花開くことになります。これはグローバルの基本だと思います。覇権言語だけを教育することがグローバルではないはずです。まずは母国語、それに加えて、関心を持つ地域の言語を学ぶことが重要です。各地域に行って、受け入れてもらえる人を養成することがグローバルの第一歩です。
いつか②を書きます。


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