日本の大学の来し方行く末
よく大学院のレベルってありますか?あるいは
大学院に入るためには偏差値はどの程度必要ですか?
こんな質問を受けます。基本的に大学院受験に偏差値はありません。
この国の受験偏差値信仰は大学受験でも崩壊しつつあります。
ましてや大学院受験で偏差値は何の役にもたちません。
その意味で漠然とレベルの高い大学院に行こうという考え方は不適切です。
もちろん、低いところよりは高いところの方が良いとは思うのですが、その尺度を
どうするかの方が重要です。学生のレベルの高さと教員のレベルの高さは
ある程度相関はあるとは思います。それが全くないというのも少し違うと思います。
有名大学で博士号を取得しても、資料を自分の都合の良いようにしか読めず、
自分の都合で歪曲して、自分の都合の悪い資料は排除するといった
信じられないくらいレベルの低い人間もいます。
その意味では、大学名ではレベルは決まらないと言えます。
例えば私立A大学の文学博士と、国立B大学の経済学博士と、
公立C大学の教育学博士のうち、どれが一番レベルが高いですか?と問われても
答えに窮します。
結局の所、名前は、どこの大学でも個人の力量でそのレベルは決まります。
どんな先生に習い、そこでどんな勉強をして、どれだけの力をつけるかが重要です。
その上で有名大学の学位が必要ならば、担当の先生が指示してくれるでしょう。
研究者の世界では、そういったケースも少なからず見てきました。
もちろん、これは研究者限定の世界観であって、すべての分野において共通する
話ではありません。
これから大学院に行こうと考える人は、
①まず、何の分野の研究をしたいのかを考える。
②その分野のある大学を偏差値などの色眼鏡を全部外してリストアップする。
③どんな先生に習いたいかを論文等で探す。
④会えるなら先生に会う。
⑤授業を聴講させてもらえるなら聴講する。
⑥その分野で自分が何ができるかを考える。
⑦大学及び習いたいを決める。
このくらいの手続きを踏んでみましょう。
そうすると漠然とした「レベル」という言葉がいかに無用であるかがわかると思います。
自分の行きたい大学に行き、自分のやりたい研究をする。
この当たり前のことこそが基本なのです。しかしこれが奥深いのです。
是非、慎重に考えてください。
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