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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

研究不正と組織解体

2014年6月14日

テーマ:大学院に行くメリット

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

STAP細胞問題はどんどん大きくなっています。
とうとう組織解体提言にまで
発展してしまいました。当事者もここまで大きな問題になるとは
考えていなかったのではないかと想像します。
こういった不正や不正と認定される行為自体許されざるものです
今回の件は「世界三大不正の一つ」という認識もあるようですから
決して軽い事柄ではありません。

しかし、組織解体というのは厳しすぎるのではないのかというのが
素朴な疑問です。
通常なら、不正を行った人物とその直属上司、重くても組織の長が
解任されるくらいで、組織解体というのはかなり厳しいでしょう。

これはやはり「税金」を使っているというある種の後ろめたさと、
「国民感情への配慮」が背後にあるのでしょう。
税金絡みで組織を解体するなら、とっくの昔にこの世から消え去っている
省庁などたくさんあると思うのですが、研究者というのは、想像以上に
立場が弱いのでしょう。いっそのこと「研究省」でもできれば
本当の意味での「改革」ができると思います。「宇宙庁」よりは
名案だと思うのですがいかがなものでしょうか?

私はこの「改革委員会」というものにも強い違和感を感じます。
実は目的が不明瞭で、改革という言葉自体が漠然としており、
「悪」をただして「正義」を行う結論ありきの使命感のようなもの
はあるのでしょうが、目線が「国民の皆様」であり、その国民の
「代弁者らしき」メディアに向いているということが問題です。
組織解体など、一般企業感覚ではとんでもないことで、
改革委員会とやらが立ち上がるような出来事があったとしても
簡単に解体など言えるはずもありません。不正などしていない
大多数の社員が巻き添えをくうことが正しいことではないからです。
不正をする側も、改革する側も浮世離れしており、結局、一般人の
苦労とはかけ離れた親方日の丸目線であり、彼らが言う国民の皆様の
目線とはかけ離れてしまっています。
嫌な上から目線です。
庶民の苦労など頭の先にもよぎったことなどないのでしょう。

改革などそう簡単にできるものではなく、大概は犠牲者がでます。
時の王であったり、首謀者であったり、敵、悪、そういったものが
倒されることが改革とされます。
この場合、誰を悪人に仕立てあげれば誰が満足するのでしょう?
今必要なことは、意味不明な改革ではなく、不必要な犠牲者への
思いやりです。ただ不正者の首をとっても、余計に殺伐とするだけで、
さらに不正を生む環境を作るだけでしょう。若手研究者を
今以上に追い込むことが改革ならば、やめておくのが無難でしょう 。
若手研究者を萎縮させるどころか、ただでさえネガティブに
語れる若手研究者にさらなる失望を与えるだけでしょう。

一方で、若手の研究者も自由な研究環境を自分で生み出す
バイタリティが必要な時期にきていると思います。
本来、研究というものは金銭では測定できない価値を持つため、
金に振り回されないように公共が金をだすということは
当然のことです。しかし、公共から金を引き出すことが目的化
してしまうという本末転倒がSTAP問題を生み出した大きな
要因であることは疑いありません。
最近は宇宙事業でも、あるいは下町ボブスレーでも、民間が
お金と技術を出しあって、新しいものを生み出す動きが活発化
しつつあります。税金が湯水のように使える一部の人間の
保身に振り回されるのではなく、自分たちで金を獲得する術を
手に入れて、自由な研究ができる環境を作ることができる
ような改革がなされることを期待します。



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