自閉症の心理学 ~天才の正体!自閉症との意外な繋がり~
健常者と自閉症者はまるで違う人間かのように分けて捉えられてますが
どちらもその本質は変わらないんですね。
しかし健常者と自閉症者とではやはり違いはあります。
健常者は何かストレスを感じたとき
感情に左右されてストレス症状が出ると思いますが
自閉症者の場合、その症状が現れるのは
感情というよりむしろ単なるストレス反応でしかないんですね。
例えば健常者は何か言われてカチンと来たりヘコんだりしますが
自閉症者は何か言われたことそのものに対してではなく
感覚的な違和によるストレス反応だったり
感覚過敏から来るストレス反応として症状が現れるのです。
自閉症者のその感覚は
ニオイや音、視覚や触覚といった五感への刺激に対して敏感(過敏)で
そういった刺激から来るストレスがイライラの症状として現れるのであって
健常者のように感情的にイライラしたりパニックを起こすのではありません。
(もちろん感情的なケースもあります)
自閉症者の中で何が起こっているのかと言いますと
大抵の場合本人は無意識であり自覚はありませんが
天秤のバランスを取っていると考えてみてください。
天秤はどちらかの比重が変わると重い方へ傾きますが
両方が同じ比重を保ってる間はどちらかへ傾くことなく
両方が均等に保たれています。
しかし外からの刺激によってこの比重が変わってしまうと
(バランスが崩れ均等が崩れてしまうと)
パニックを起こしたり自閉症の症状が現れるんですね。
これが自閉症者が突然イライラしたりパニック発作を起こす仕組みです。
(感情的な要因ではない)
ですのでいかに天秤の均等を保ってられるかが
自閉症者がいかに落ち着いて過ごせるかどうかに関わってますし
些細なキッカケですぐその比重が変わってしまう天秤のような繊細なバランス感覚で
自閉症者は常に緊張状態にあるのです。
そして何か作業に集中していたり繰り返す行動(反すう)こそ
ストレス(刺激)から注意をそらして自分を保とうと
落ち着かせようとしている行動(つまり自閉症の症状)なんですね。
(そのことを本人は意識して、理解しているわけではない)
しかしこのような性質は自閉症者か健常者かに関わらず
健常者でも誰しも抱える感覚なのです。
ただ刺激になるものの種類が違ったり、皆それぞれ自覚していないだけ。
とはいえ自閉症者自身も社会に対応していくため
適応していくために
ある程度意識したいことがあります。
一般的に自閉症者はコミュニケーションが苦手だと言われます。
しかしコミュニケーションが苦手な人は健常者でもいますし
ではどれだけコミュニケーションが苦手だということを自覚できているかと言うと
漠然とした苦手意識があるだけではないでしょうか?
自分はコミュニケーションが苦手なんだということを自覚し
上手く出来ないのは自閉症の特徴だから仕方がないんだと自分に言い聞かせ
あまり自分を責めないことでしょうか。
社会との距離のとり方(距離感)を
トレーニングによって身につけていく努力も必要かもしれませんね。



