大阪都構想の住民投票率が66.83%だった事について、そこから見えて来る人間心理
自然災害時における緊急避難や避難生活において
ライフラインの復旧や支援物資の確保など
生命に関わる事柄に関しては情報が行き届き対策が取られます。
しかし心の被災についてはどうでしょうか?
心のケアの必要性や対策など言われてはいるものの
実際適切に施されているかといえば後回しにされているのが現状でしょう。
命は助かっても財産やかけがえのない存在を失い
その上再建していかないといけないという前途多難の失意(喪失感)の中にあって
いくらライフラインが復旧しても支援物資が行き届いても
生きる意欲が湧いてくるはずがありません。
災害関連死と言われますように
命は助かってもその後生きる希望が見いだせず
自殺してしまうという悲しい事態も起きています。
避難生活においては身体的な健康や物質的な手当てばかり言われますが
心のケアについてはメディアの取り上げ方も地味(控えめ)で
その活動についても関連する団体が地道にコツコツ行っているだけの印象があります。
人に生きる意欲があってこそ避難生活の支援にも意味がありますが
ただライフラインを復旧し、必要な物資を届け
住居の提供(仮設住宅)など生活できる環境を整えるだけでは
真の支援としての意味を成さないように思います。
私は自分の職業柄もありますが
必要な支援として人の生きる希望や意欲を取り戻せるような心のケアこそ
安全や生活環境の確保と同等に必要な支援だと考えます。
復旧や復興、支援物資の供給ばかり着目され
心のケアには一部の人間にからしか目を向けられないとなると
生きるための環境は整えられても心の荒廃は進行し続けるでしょう。
人が受ける喪失感がどれほどのものかおわかりでしょうか?
気分の落ち込みややる気が出ないといったレベルの話ではありません。
それこそ生きる意欲を失い自ら命を絶つに至るまでの衝撃なのです。
せっかく命が助かっても生きる意欲が失われたままでは
社会機能としての復興は遂げられても真の復興とは言えません。
避難生活においては必要な物資の確保とともに
心のケアについても今一度見直し
団体や個人単位ではなく優先事項として取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
災害復旧の一環として緊急対策や救助活動と同等に
災害時に必要な支援は物資だけではないということを肝に銘じておきたいものです。