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コラム

本当に避難を促すなら集団心理を利用する

危険だと承知していても、なかなかすぐに人は避難しないのはどうしてでしょうか?

一つには避難することそのものがストレスになるからでしょう。
誰でも住み慣れた自宅で過ごしているのが一番安心しますし落ち着きます。

避難をすれば周りの人に気を使わなければなりませんし
行動するにしても何をするにも全て制限され、自分の自由にできません。
精神的に休まることがないんですね。

もちろん家にいてても不安で落ち着かないかもしれませんが
避難所や避難場所のそれとはまた緊張の度合いが違うのです。

このように避難先では常に緊張を強いられ
精神的に休まることがないから
なるべくなら避難するのを避けたがるわけですね。

危険を承知でもできるだけ最後まで
ギリギリのところまで人は動こうとしないのです。
あるいは何かが起こってからしかようやく行動に移そうとはしません。

それは避難した先に待ち受けているのはストレスだからです。
人は安全より(安全確保より)ストレスを避けたがります。

身の安全を確保することが必ずしも安心にはつながらないからです。
危険かどうかは別として、人は常に自分の居心地の良いところに留まろうとする習性があります。
それで何か起こってからようやく重い腰を上げようとするわけですね。

ですからいくら危険だとは思っていても
避難することによるストレスを避けて
安全より安心を求めてなかなか避難しようとしないのです。

ではどうしたら人は避難するようになるのかと言いますと
個人に呼びかけるような避難指示や避難勧告(情報提供)では人はなかなか動きませんが
例えば企業や学校単位など、何か一つの集団や団体で(全体行動として)行動を起こすように促すと
皆で一緒にという集団心理が働きますから、一致団結して行動を起こしやすくなるんですね。

何のつながりもなかった人たちが
ある目標達成(大義名分や名目)を掲げただけでそれに向かってまとまりを見せるようなものです。

そうすることが良いかどうかは別にして
人の心理としてはおよそそういった働きがあることを知っておいてください。

このような心理を上手く利用して
本当に手遅れになってしまうような状況から、命を守る行動につなげていきたいですね。

自己責任だけでは決して人は動こうとしないことをお忘れなく。

この記事を書いたプロ

宮本章太郎

心理カウンセリングのプロ

宮本章太郎(京都カウンセリングラウンジ)

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