若年層の自殺増加問題 ~縛り付けがいじめによる自殺対策を遅らせている~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:時事・世事世相・所感・雑感

今や隔週のようにして、転落や飛び降りといった若年層の自殺報道が相次いでいます。

代表されるのはいじめを苦にした自殺が多いようですが
内実はそれだけが自殺の理由ではない事情も多い事でしょう。

どうしたらこの悲しみの連鎖を断ち切れるのでしょうか?
そもそもなぜ自殺なんて行為に及ぶのでしょうか?
これだけ社会問題になっていて民間や行政によるホットラインの相談先も充実してるのに
それでも自殺の道を選択してしまう現実には、本当にどうしたらいいものかわかりません。

果たしてどのようないじめ対策が有効なのかはわかりませんが
いじめの対策に欠かせないのは、何と言っても大人の力です。

中でも学校で起こっているいじめなら、やはり先生の力は必要かつ重要で
子供にとっては助けを求めたり頼れる存在として、解決に欠かせない大きな力となりますし
先生のいじめ問題に対する向き合い方や解決能力の力量こそ
いじめに対する有効な対策になるのは間違いないでしょう。

とはいえなかなか現実には先生の対応も難しく
なるべく避けるか形だけの対応が精一杯で
改善に繋がらない状況が教育現場を悩ませています。

ところでなぜこのような状況が生まれるのかと言いますと
私は教育委員会や保護者(世間の目)といった
先生に対する“縛り(規制や制約)”が多いからではないかと思うのです。

ですから例え真剣に問題に取り組もうとしてる先生が居たとしても
この“縛り”が先生の行動の自由を奪い
身動きを取れない中での対応でしか動けなくさせているのではないかと思うんですね。
(先生方が多忙なのも問題です)

教育委員会の監視の目があって、自分(先生や学校側)の思う通りに動けませんし
例え自由に行動させてもらったとしても
今度は世間や保護者が対応の仕方に文句や注文をつけたり
容赦ない攻撃に神経をすり減らさなければならない状況を考えれば
先生方が躊躇してなかなか行動を起こせないのもうなづけます。

こうした大人の力が発揮できないどころか、大人同士が足の引っ張り合いで取り組みを抑制してしまっては
子どもたちは大人の目が届かないところで自分でも歯止めをかけられず
ますますいじめの行為が蔓延してしまうのは言うまでもありません。

こうした子ども自身でコントロールが効かなくなった力の暴走を抑制できるのが大人の力なんですね。

それで完全にいじめをなくしたり防ぐ事はできないかもしれませんが
少なくとも今の教育現場の置かれた状況よりは、改善できるのではないでしょうか。

その上で(自由を与えられた取り組みの中で)大人たちが何ができるのか
ここを考えていく必要があるように思います。

そして先生や学校にだけ責任を押し付け負担にならないように
若い人たちの自殺という悲しい出来事を防ぐためにも
大人たち全体によって子どもたちを支える仕組みや取り組みを
改めて考えていきたいものです。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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