人間関係の希薄化とネットコミュニケーションの功罪 ~再び豊かな心を取り戻すために~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:メンタル・メディア・ネットカルチャー(話題性・関心事)

メールやチャット、SNSなどインターネットでのコミュニケーションが普及してから
特に対面における会話(意思疎通)が不自由になったと感じます。

世界規模での情報発信や情報交換の手段としては発展したとしても
相手の心を察したり苦楽を共にするような人間関係のコミュニケーション手段としては
便利になったどころかむしろ不便になったのではないでしょうか?

インターネットの普及によって情報や知識は豊富になっても
人の心まで豊かになったかというと必ずしもそうだとはいえません。

逆にこれがコミュニティーの縮小や崩壊にも繋がってるのです。
(独居老人や孤独死などの問題のクローズアップ)

一見交友関係が広がったり、コミュニケーションの幅も広がったように思いがちですが
人間関係が希薄化してしまったのも事実で
相手との関係を簡単に断ったり、まるでスイッチをオン・オフするかのように
人間関係を軽く扱う結果になってしまいました。(相手に対する尊重の念の欠落)

いつでもどこでも簡単に繋がれる事が
すぐに反応が返ってこない状況に耐えられなくなったのです。

相手との関係は切れたとしても
その後どんな暮らしをしてるのか、SNSを通して簡単に知ることが出来ますし
別に知りたくなくても自然に情報が入ってきます。

つまり近年深刻さを増すストーカー被害やDV被害の問題も
インターネット(SNS)の普及によって自然に増加してしまうんですね。

私がなぜコミュニケーション(意思疎通)が不自由になったと感じるのかというと
インターネットでのコミュニケーションは一方的な情報発信で
そのやり取りが会話や意思疎通だと思ってるだけで
実際は相手の気持ちを汲み取るような交流はしてませんし
相手から発信される情報を受け取って、自分の中で独自に解釈して勝手に判断しているだけ。

そのやり取りが交流だと思い込んでるのです。

これは相手の居ない、自分ひとりの頭の中のやり取りであり(相手の気持ちの推測、シミュレーション)
とても本物のコミュニケーションと言えるようなものではありません。

だから実際に相手との感情のやり取りとなると
上手く気持ちを汲み取る事が出来ずにすぐ感情的に対応してしまいますし
日常会話でも相手が何を言ってるのかわからず
また、自分が何を言ってるのか相手がわかるように話すのも困難になるのです。

それは自分ひとりの情報処理でしかないから。
(情報の整理、情報処理であって、コミュニケーションではない)

これはインターネットによるコミュニケーション手段の普及が自然にそうさせたもので
だから誰が悪いとか、ネットコミュニケーションを否定してるのでもありませんが
私がコミュニケーション能力の低下と、人間関係(会話や意思疎通)が不自由になったと感じる理由です。

だからこそこれからの時代はなおさら
ぜひ心のこもった交流を推奨していきたいと思います。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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