“類友”には科学的根拠があった ~類友現象が及ぼすリーダーシップと虐待の連鎖~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

小さい時に虐待されて育った子は、自分が親になった時も自分の子に同じように虐待をしてしまう
虐待の連鎖が起こる事はご存知だと思いますが
自分は絶対にしない、親と同じにはならないと強く決心していても
気づけばいつの間にか自分も親と同じ事をしているだなんて経験はないでしょうか?

ただ今回は虐待の話ではなく、この連鎖反応を応用した心理テクニックをご紹介致します。

例え同じ事はしないと思ってても、自分がされて来た事は自分の意志とは無関係に
否応なく同じ事をしてしまうんですね。
全く同じではなくても少なからず似たような性質を身に付けてしまうわけです。

ではこの連鎖反応を応用して、自分が他人に対して常に誠心誠意
いつも丁寧に接してたらどうなるでしょうか?

人は自分が痛めつけられたら他人にも同じように痛めつけるようになりますし
優しくされたら自分も優しくなるものです。

これは虐待やイジメ、あるいは自助グループや気の合う仲間同士のコミュニティーでも見られるように
似たような同じ環境からは同じ関係性が生まれますし
こういう場合はこうするものだと、物事の善悪や(道徳的か倫理的かなど)
自分の意志に関わらず身に付いてしまうからなんですね。

つまり“類は友を呼ぶ”とはまさにこの事を言ってるわけです。

そしてこの現象は無意識による刷り込みですから
自分の意志ではコントロール出来ません。

自分の意志ではコントロール出来なくても
逆に言うと自分の意志ではコントロール出来ないからこそ
この方法で他人と接していると、相手も自然にそのような接し方やそれ相応の関わり方になって来るんですね。

何度も言いますが、このテクニックは自分の意志ではコントロール出来ません。

ですから相手にとっても自分にとっても、互いの関係性の中で相性なども変わって来ますし
弱肉強食ではないですが、人間関係にも優位性が存在し
より強い者に従うような(似たような)行動を人は自然に取るようになるのです。

もう少し柔らかい言い方をすれば
優れたリーダーの居る環境からは優れた集団が必然的に創出されるという事です。

影響力の強い方に従おうとする性質があるので(支配的かどうかという事ではありません)
実際やろうと思ってもなかなか簡単に出来るものではありませんが
相手を自分の思い通りにさせるのが目的ではありませんから
根気よく続けている内に、次第に相手もその影響を受ける事にはなるでしょう。

このようにすると虐待の連鎖も上手く断ち切る事が出来ますし
自らの行動によって相手にも良い影響を与える事で
人間関係の改善にも役立ちますのでぜひ心がけてみてくださいね。

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専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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