集団の中のストレスと“個人のワガママ化”によるストレス ~強過ぎる個性は問題を悪化させる~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

人は大勢(集団)の中では個性を失い、個人の意見は通用しにくくなり
個が尊重される中にあっては個性が強く出過ぎて
我が強い状態、いわゆるワガママになってしまう傾向があります。

そしてこの傾向は人や性格を選びません。

昭和の時代に見られるような大衆文化の中での生活では
個人の考えより共存共栄の考えが尊重され
いかに周りに合わせて協調(同調)していけるかが問われていました。

しかし近年の核家族に象徴されるように
超個人主義とも取れるような生活スタイルが主流になると
たちまち人はワガママになるのです。

人と共に暮らしている事から考えてみれば
そんな大した事でもないのに些細な事でもクレームを付けたり
自分の希望が適わないとちょっとした事でも不満やストレスを感じるようになるのも
こうした仕組みが人をそうさせているわけです。

これは何も個人の性格の問題ではなく
大勢か極小かによって表れる傾向の違いですので
この感覚に大きなズレが生じると、適応障害などの弊害が起こってしまいます。

学校や職場など、ある種共同生活の場では個人ではなく
多数決だったり民主主義だったりと、より多い方の意見や考えこそが重視され
対個人の場にあっては人は対等に、しかも総合的に能力の優れている方が他を圧倒します。
(どちらの方が能力が優れているかは、他の評価にはよらない)

ちなみに権力者など、権力の強さは個の強さや能力とは無関係です。
権力も大勢の中で確立された大衆勢力の一つに過ぎません。

この特徴(傾向)を利用すれば
例えば何事も自分の思い通りにならずストレスを感じるような人は
一人で居る事よりもなるべく大勢の中に身を置くようにすれば
自然に協調性が身に付いてストレスの軽減も図れるでしょうし
(ただし大勢の中に居る事で感じるストレスはまた別の問題)
ストーカーや愉快犯など個人的な動機による犯罪傾向の減少にも繋がるでしょう。

近年モンスターペアレンツなど個性主義と言いますか
集団生活や大衆文化の中では考えられないような“個人のワガママ化”傾向も
あまりに行き過ぎた個人主義や個性の尊重
あるいは個人(個体)に的を絞り過ぎたピンポイントサービスの提供の仕方などが
同様の問題を引き起こしてるのかもしれません。

つまり個人主義は様々な社会問題を引き起こし
強過ぎる個性は問題を悪化させる要因になるという事をぜひ憶えておいてください。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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