愛知県の認知症JR事故訴訟問題で、原動力になった遺族の方の思いに共感

宮本章太郎

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テーマ:時事・世事世相・所感・雑感

愛知県で認知症の男性が電車にはねられ死亡し、JR東海側から賠償を求められた訴訟では
家族の監督責任が争点となり、私もこの件について以前コラムでも触れた事があります。
(参考コラム:http://mbp-japan.com/kyoto/kyotocl/column/15736/

この逆転勝訴の一連を振り返り、遺族の方が京都で講演されましたが
その中で男性の原動力になったのは、「認知症への無理解に対する怒りだった」事を語られました。

私も当時当然だと思ってコラムにも書きましたが
男性の言葉を聞いて改めて振り返り、同じ思いに共感するしかありませんし
本当に認知症への無理解を痛感させられる一件だったと思います。

今や認知症問題は大きな社会問題となっています。

事故当時と現在とでは多少意識や理解度に違いは見られるものの
家族の監督責任や義務を問われるなら
JR東海側の認知症の人に対する事故への予見や危険認識はどうだったのでしょうか?

認知症の人が線路に進入して事故を起こす可能性や
その防止対策は十分だったと言えるのでしょうか?
JR東海の安全対策設置義務は?

認知症の方からすれば(そうでなくても通行人にとっては)、線路の存在自体が通行の妨げであり
この認知症時代、事故の危険性を考えて地下や高架上に路線を通すなど
そこまで徹底した安全対策とその義務を全うした上での訴訟ならまだしも
自らの落ち度は認めないで相手の責任だけは求めるだなんて
こんな理屈がまかり通る社会が成立するだなんて、私は悲しくて仕方ありません。

家族の監督責任や義務違反を問うなら、事故防止策を怠った側も同じく
同等の責任があるように私は感じますね。
(私の言ってる事は極論かもしれませんが、言いたいのはその部分ではありません)

ですから今回の一連の訴訟では安堵するとともに
私も少なからず遺族の方と同じように、認知症への無理解に対する怒りを覚えた次第であります。

ただその怒りはどこへ向けていいのか、JR東海側に向けるのも違うと思いますし
本気で怒りに任せて感情論を述べてるのではなく
両者の言い分や主張、皆さんそれぞれの意見や考えはあるものの
そんな責任を追及するばかりの風潮ではなく、互いに理解し支え合う
人に優しい社会であってもらいたいとただただ心より願うばかりです。

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宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

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