自閉症の世界を知ろう ~他人には同じでも本人は違う、区別・線引きの世界~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:自閉症の心理学・広汎性発達障害

自閉症の人の感覚がどういうものなのかは
他の人にはほんとにわかりにくいと思います。
人によってはいくら説明してもわからないでしょう。

中でも他人からは同じように思えても
本人の中では全く違う
区別や線引きについての感覚の違いがあります。

一見他人には何が違うんだ、変わらないじゃないかと思うような事でも
それはそれ、これはこれというように
本人の中では完全に違うものとしてハッキリ区別されているのも
自閉症の大きな特徴です。

例えば日常で感じる私の症例で言いますと
私はタバコが好きではありません。
そういう話題も耳にしたくないし
人が吸ってるとこを見てるのもしんどいです。

だけど他人に理解されにくい感覚としては
私はタバコを吸ってる人が嫌いなんじゃなくて
タバコの危害が及ぶのが嫌なだけなんです。
私の中でその違いはハッキリしています。

そして吸ってるところを見てると
覚せい剤などと同じような
笑いながら自分を傷つけてる自傷行為にしか見えませんし
そういう姿を見てるのが苦しいわけです。

特に未成年や小さな子供の居る所で吸うなんてのは
虐待と同じにしか思えません。

だから見たくもないし聞きたくもないだけで
決してその人自身が嫌いなわけではないのですが
しかしいくらそんな事を説明しても
結局タバコ嫌いなだけの、嫌煙家なんだなと捉えられるだけです。
つまり自分は喫煙者だから、私に嫌われてるだろうなと勘違いされるわけですね。

いずれにしても私の中では完全に違うのに
なかなか他人には通じません。

も一つ身近な例で言えば
単に車とすれ違うのでも、横を通るだけでも私にとっては恐怖です。
バイクなんかもそうですね。

普段は何とか気にしないようにはしてますが
駆動音すら大きなストレスに感じるほど気になりますし
精神状態によっては耐え難い苦しみになるのです。

だけど自動車の発する騒音が苦手なだけで
自動車自体を忌み嫌ってるわけではありません。
このように私の中では、その違いはハッキリしてるんですね。

さらに言えば、激しいケンカや口論の後でも
さっき何かあったのか?というように
本人はケロッとしてたり平然としてるのも、自閉症の強い特徴です。

本人の中では相手を憎んでるわけではないので
出来事そのものには感情的になっても
相手を責めてるのでも存在を否定してるのでもありませんし
その違いはハッキリとしてるのです。

しかし強い口調で言われた方は、そんな感覚理解出来ませんよね。
この感覚の違いが悩みになるわけです。

これでも私の場合は比較的軽い症例であり
自閉症の症状の強い人は
それ以上に苦しいものを抱えてらっしゃるでしょう。

今回の話も、だから何だというわけではありません。

だから何だというわけではありませんが
少しでも自閉症の特徴についてを皆様に知っていただき
程度の差こそあれ、これは誰にでも当てはまるもので
人の言動や性格にまで繋がる
心理学そのものである事を知っていただきたいのです。
(特に私はこれを、自閉症の心理学と呼んでいます)


京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎



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