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小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(こばしひろ) / 講師

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

コラム

怒りの落とし所は共感で探す

2018年9月6日 公開 / 2020年10月25日更新

テーマ:怒りのエモーションコンディショニング

コラムカテゴリ:スクール・習い事

モノを購入した時に、それがうまく機能しなかったらイライラします。イライラの裏側には「新品はすぐ機能して当たり前」「誰でもすぐに使えるようにすべき」これらが原因です。

こういうイライラはクレームに繋がります。クレームには大きく分けると3つの要素があります。 

・モノの場合は製品レベルで、不良品という製品そのものへのクレーム。 

・製品の機能が複雑で使いにくい使い方レベルのクレーム  

・担当の対応が悪く、お客様が大切にされていないと感じる尊厳レベルのクレーム。
 
実際、製品や使い方のクレームはお客様の欲求が明確に分かるので対応はそんなに難しくありません。一方、尊厳レベルのクレームになると、お客様が本当に求めていることが解りにくくなります。

担当の言葉使いや態度などが、お客様の意にそぐわないことが原因で、ひと度、逆鱗に触れると噴火した火山のようなるのが尊厳レベルのクレーム。これは、まずお客様に謝罪して、怒りの感情に共感しながら、お客様の振り上げた拳を降ろす「落としどころ」を探すしかありません。



怒り



今でも記憶に残る悲しい出来事がありました。それは建築の損害保険の関係で、死亡事故の原因調査という特殊な調査業務を行なっている頃の話です。

その事故は、母親がバックで自宅ガレージに入る際、車両後部の死角にいた我が子を轢いて死に至らせた事故。調査は、原則として本人から事情を聴かなければなりません。もちろん、当事者の奥様(被害者の母親)は、聴取できる状態ではありませんでした。 

ご主人は泣きながら私にこう言いました。「お願いだから聴取は後にしてほしい」私は、気丈に対応しているご主人をみて涙が止まりませんでした。しばらくするとご主人が冷静なったので、何故、すぐに聴取をしなければならないかを説明しました。 

ご主人は最後にこう言ってくれました。「小橋さんが、私の話を聴いてくれたことで、改めて今、自分がしなければならないことに気付きました」
 
この出来事はクレームとは質が違うものですが、感情が高まった人の気持ちの落としどころは、テクニックやスキルではなく、共感の中から生まれてくるものだと今でも信じています。



【小さな実践】
共感と同情の違いを考えてみる



 

この記事を書いたプロ

小橋広市

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小橋広市(一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会)

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