ビジネスにおいても見た目の印象は大事―流行とシルエットを考える―
今日の目次
・コスパ世界一？鎌倉シャツ
・たかがシャツされどシャツ
・400番、究極のコットンシャツ
・永遠のテーマ、ブルーBDシャツ
・ワイルドな臭いのするシャツたち
・「馬丁柄」って知ってます？
・伝えたかったシャツへの愛着
コスパ世界一？鎌倉シャツ
シャツと名の付く衣服。ビジネスに際してネクタイを着用するときのものとクールビズに合わせたものなど含めて、かなりの枚数所有している私。
さて、そのシャツでも私が所有している大半は「鎌倉シャツ」というメーカーの製品になります。もう10年以上前から愛用していて、既に廃棄したものを含めると延べ100枚以上は購入しているはずです。ほぼ毎日、ここのシャツを着用していますが、このメーカーのシャツのコスパはおそらく世界一ではないか、というのが私の感想です。
外国のブランドや日本の高級ファッションブランドなども含めて、どこもシャツはそのアイテムの一つとして、もちろん取り扱っています。冒頭紹介した雑誌「Pen」でも、それら高級ブランドのシャツが数多く紹介されていました。
ただ、その値段の高さには驚かされます。高級ブランドの服は、ここ数年で軒並みかなり値上がりしたようですが、そんな中でもシャツの値段の高さは、私から見てなんだかバランスを欠いているような気がするのです。
お気に入りの細かいチェックのブルーシャツ
たかがシャツされどシャツ
たかがシャツではあります。まああっち側（アパレルブランド）に言わせれば、されどシャツかも知れませんが、それにしても、一枚のペラッとした布（通常綿素材が多い）から作る服にしては高すぎる気がします。
そういう意味でも、鎌倉シャツのコスパの良さは抜きんでているのです。コスパ世界一と書いたのは、その生地の品質の高さや縫製などの丁寧さに比して価格が極めて抑制的であるからにほかなりません。
それが象徴的なのは「400番手」という生地のシャツがあることです。「番手」というのは、布を織りあげている糸の細さを指す数値で、数字の多いものほど細くなります。100番手くらいから布の肌触りが滑らかになり、120、140番手くらいになるとかなりの高級品と言えます。
昔（といっても40年くらいになりますが）初めて100番手のシャツに手を通したとき、「ああ、肌への当たりがソフトで気持ちがいいなあ。」と感じたことを覚えています。ああ、これが高級なコットンって奴か、と感心させられました。
これも好きなギンガムチェックのBDシャツ。
こいつは200番手です。
400番、究極のコットンシャツ
昔から着るものの「素材」は気になる方でした。シャツの場合その判断基準となるのが、生地の番手の細さだったのです。雑誌で「140番手のシャツを取り扱っている店がある。」という記事を見て、代官山のショップまでわざわざ買いに行ったこともありました。
その後、世の中に200番手という究極の生地が出現して驚かされたのですが、鎌倉シャツは常にその上を行っていました。鎌倉シャツでは、通常、100番手くらいの生地の製品がレギュラー商品になります。そうこうしているうちに、やがて200番手の高級ラインも発売したので「ほほう！」と思っていたら、今度は300番手というさらに驚きの高級ラインを打ち出してきました。
さすがに高番手の高級ラインもこれで打ち止めだろう、と思っていたら、5,6年前だったと思いますが、とうとう400番手という究極の細番手の製品を発売したのです。私は他の高級ブランドでも400番手というのは見たことがありません。コスパ世界一と先述したのはそういう理由によるのです。
鎌倉シャツについて書き始めたらキリがないので、このあたりでやめにしますが、今後もこのブランドとは長く付き合っていくことでしょう。
永遠のテーマ、ブルーBDシャツ
さて、シャツについて書き始めたらキリがありません。そんな中、私にはずっと探し求めている究極の一枚というものがあるのです。それは、ブルーのオックスフォード生地のBDシャツです。
昔からブルーのBDには、異常な愛着を覚えていたような気がします。なんでこれがそんなに好きなのか、自分でもわかりません。好きなIVYファッションの、最も原点的な存在だからなのかも知れないな、とも思います。
生地は、ブロードのような平織りのペラッとしたものではなくて、ロイヤルオックスフォードかピンポイントオックスフォードに限ります。これらの素材には少し厚みがあって、ちょっとだけスポーティーな感じが残っているところが好きな理由になります。ブルーの色合いも濃すぎず薄すぎず、鮮やかな青色が表現されていれば言うことはありません。
そんなわけで、あれこれ購入していたらブルーのBDだけでも6、7枚は所有することになってしまいました。それでもまだ究極の一枚って奴にはめぐり会っていません。最終的にはオーダーってことになるのかも知れないな、と思っています。
永遠の定番、ブルーのBDシャツ
ワイルドな臭いのするシャツたち
私にとってカジュアルなシャツの代表と言えば、デニムシャツとネルシャツになります。この2枚は、屋外作業など行なうときにいつも着用しています。
大柄なチェックのネルシャツは、丈夫で肌触りも柔らかく、アメリカの田舎暮らしやアウトドアライフを彷彿させて、好きなシャツの一つでした。以前は何着も持っていたのですが、結局そんなに着る機会がないことに気がついて、1枚を残して他人にあげてしまいました。
デニム素材のシャツは、生地の薄いものはシャンブレーシャツとも呼ばれるようです。インディゴ染めでワイルドな臭いのするこのシャツは、やはり好きな服の一つでもあります。顧客と会わない日などは、ちょっとはずしてこれを仕事に着て行ったりしています。
こいつにタータンチェックのネクタイなど合わせて、デニムを履き、ツイードのジャケットなど羽織れば、しゃれたカントリージェントルマンのできあがりです。尤もこの格好が似合うためには、少々ガタイが良くなければなならない、という条件が付きます。そういう意味では、日本人にはちょっと難しい着こなしになるのかも知れません。
デニム3兄弟、色の濃い順に並べてみました、
「馬丁柄」って知ってます？
ギンガムチェックのスポーツシャツも好きで何枚か持っています。ギンガムチェック・・・若い頃の定番だったなあ。今でもときどき羽織りますが、そのたびになんとも言えない懐かしさみたいなものを覚えるのです。青春のほろ苦き思い出とでも言いましょうか。
チェックと言えば、ぜひ触れておきたい好きなチェック柄があります。それは「タッターソール」というチェックです。誰でも見たことのある細かいチェック柄だと思いますが、タッターソールという呼び名を知っている人は少ないかも知れません。
日本語では「乗馬格子」とも呼ばれているようで、昔イギリスで馬用の毛布に使われたチェック柄らしいのです。私は「馬丁柄」と習ったような気もします。要するに乗馬関係で働く人の労働服に使われていたチェック柄のようですが、そのトラディショナルな雰囲気が好きで、これまで何枚も購入した覚えがあります。（今、手もとには2枚くらいしかありませんが）
細かいチェックのタッターソール
伝えたかったシャツへの愛着
さていろいろ書いてきました。もっともっと書こうと思えば書けるのですが、キリがありません。シャツに関しては、蘊蓄を語るというよりは、肌に最も近い衣服として、それに対する愛着ぶりを伝えたいのです。
シャツはそもそも消耗品です。ある程度着たら、償却済みになってしまう衣料と言えるでしょう。
ところが、私みたいにやたら枚数を持っていると、一枚一枚の着る機会が少ないのでかなり長持ちしてしまいます。そうすると、さらに手持ちの枚数が増えていくという構造になってしまうのです。
つまり、好きにもかかわらず着る機会が少ない、という矛盾した結果になっているのです。それに、私の年齢からこの先を考えると、ますます着る機会は限られてきます。
本当に好きなものに絞って、もっと直接一枚一枚に触れ合う回数を増やすべきとも思います。そんな日常スタイルに変えるべき時期に来ているのかも知れませんね。
典型的なトラッドスタイルです。
おしまい
