左も右もあるもんか！―ただただ大事にしたい日本の伝統的価値観―（後編）

今日の目次
・今や世代間の逆転現象
・美名のもとの新たな利権構造
・得意技としての公金収奪
・情けなやブーメラン現象
・究極、「自分主義」なのでは
・表現し切れていない嫌悪感

今や世代間の逆転現象

さて、昨日の続き、言いたいこととは、次のようなことです。
左寄りだった世相の中で形成された私の時代感みたいなものが、かなり怪しいものであった、と自覚されるにつれて、左翼、リベラルに対する違和感が次第に大きくなってきているのです。今では、それはほとんど嫌悪感に近いくらいにまで膨らんできています。
ところが、私がこんな風にやや右寄りのまともな考え方をするようになった軌跡とまるで反比例するように、世の中はリベラル化しつつあります。私が若かった頃、学生運動に代表されるような左寄りとは少し異なってはいますが、とにかく左派的な勢力が幅を利かせているのが現状です。
現在の右派と左派を世代的に色分けした場合、昔のそれとは逆転するような現象が起きています。かつては、若い世代＝左派、革新系、年配世代＝右派、保守系という公式が成り立っていました。しかし今は、若い世代が、比較的保守寄りのスタンスを取っているのに対して、私の世代及びもっと上の世代は、どちらかと言えば左派、リベラル系を支持する人間が多いように見えます。
原発反対とか、憲法9条を守れとか、かつての安倍政権反対などのデモや集会は、ざっと見た感じ、若い世代よりもかなり年配の人たちが多くいました。私には『世の中がこれだけ変化してきたのに、なんで相変わらず旧来の価値観にしがみついているのだろう、この人たちは。』としか思えませんでした。

美名のもとの新たな利権構造

ただ、これらの世代の人々はすでに高齢でもあり、先述した「リベラル系が幅を利かしている」という中の主軸ではありません。もう少し若い世代を含めたリベラル系が、より厄介な存在として幅を利かせ始めているのではないか、というのが私の見立てです。
その典型的な例が、近年よく言われる「公金チュウチュウ」というやり方です。このリベラル連中は、世界平和、博愛、環境保護、男女共同参画、差別撤廃、子育て支援といった美名のもとに、それらしい利権構造を作り上げて体制側から実に巧みに公金を吸い上げています。
かつての学生運動を中心とした左派は、とにかく反体制、体制打倒でした。しかし、今のリベラルは表向き、反体制を叫びながら、チャンスがあれば体制側に取り入るどころか成ろうとしています。「体制側に付く」のではなくて「体制側に成る」のです。
つまり、権力志向も強い、ということです。なので、選挙に際しても様々に手を尽くして多数派のポジションを握ろうと画策します。

得意技としての公金収奪

私がこの連中と合わないと思うのは、次のような点においてです。
第一点として、先述したように、彼らは利権構造を作り上げて公金の上前をはねることを得意としているからです。自分で働いた金ではなく、公金を収奪するのが好きであり得意でもあります。利益誘導の手法には実に長けているのです。
もちろんそれが、実質的に意味のあるものであれば別に文句はないのですが、大して効果がないどころか、国民をミスリードしかねないような方向性にも予算を持って行ったりします。
一方で体制批判を繰り返しながら、一方では資金はちゃっかりいただく、というのは筋が通らない話です。こういう連中が権力の座に就いたならば、好きなように政策を決め、予算を動かす存在になることは間違いありません。
この「筋の通らなさ」に対しては、信頼できないだけでなく、ある種の傲慢さも感じます。それは、「我々はこういった公的資金を采配する能力及び権利や権限があるのだ。」という意識です。これはひいては共産主義思想にも通じるのではないでしょうか。そんな世界は、私はまっぴらごめんです。

情けなやブーメラン現象

第二に「平気でうそをつく」ということです。これは第一の嫌う理由と通じるところではありますが、立派そうな名目で獲得した資金が、そのままその目的に使われることはありません。つまり、「中抜き」が当たり前の世界であり、実際に掲げた名目に投入される金額は、最後にはごくわずかなものになっています。
これは、私利私欲のために上前をはねる、という行為にほかなりません。つまりそこには、大いなるウソが隠されているのです。
第三は「変節する」ということです。以前言っていたことと真逆のことを平気で述べたりします。
つまり、そのときそのときで調子のいい、口から出まかせが多いのです。尤も、この変節については、左派の特権とも言えないところがあります。保守を任じる人間にもこれを平気でやってしまう輩（やから）というのは、近年特に多い気がします。
この点については、最近の言い方で「ブーメラン」という言葉がよく使われているようですが、あっちでもこっちでもブーメランが飛び交っている現状は実に情けない限りです。特に政治家にそれが多いように見えます。

究極、「自分主義」なのでは

最後に、私が左派連中と決定的に相容れないと思うのは、日本的価値観においてであります。日本的な価値観を最も代表するものとして「恩」と「徳」という言葉が頭に浮かびます。このどちらも西欧にはない概念らしいので、訳すのが難しいと聞いた覚えがあります。
西欧にない、ということと同時に、左翼にもこの概念を重んじる気持ちはないのではないか、と私は推察します。このいずれも、その前提として「他者に対する無償の貢献」ということが考えられます。しかもその他者は、狭い意味での身内とか知り合いとかに留まりません。
左翼の連中は、世界平和とか差別撤廃とかいった大層なお題目を唱えながら、実際やっていることは実にエゴイスティックです。究極、彼らは「自分主義」なのでは、と思います。
例えば日本には、「恩」ということで行けば「受けた恩は石に刻め。かけた恩は水に流せ。」という言葉があります。これこそ「恩」の本質をついた言葉であり、この積み重ねが「徳」につながるのだ、と私は考えます。
「人生意気に感ず」などという言葉などもそうです。これらの言葉の前には、へ理屈など通用しません。まさに「他者に対する無償の貢献」を前提とした崇高な価値観だからです。
こういった心情を、左翼の連中ははたして持っているのでしょうか。私にはとてもそうは見えません。

表現し切れていない嫌悪感

彼らにとって第一義に来るのはイデオロギーです。そのイデオロギーの前には、常識的な理屈が通るのか通らないのか、考え方や行動が適法なのか違法なのか、といったことは第二義的なポジションになります。物事の善悪に対する判断の基準なども同様でしょう。
その前には、前述の「恩」や「徳」といった概念は、まず相容れることはありません。だから私も彼らとは相容れないのです。そういう意味では、イデオロギーなどクソくらえ、というのが私の主張です。
今回、私がずっと抱いていた左翼、リベラルに対する違和感、もっと言えば嫌悪感みたいなものを分析して書いてみました。まだまだ、これでも表現し切れていない気がします。
とはいえ、あんな連中をひたすらずっと攻撃したいわけでもありません。それはそれとして、今後も、健全な保守派として我が道を歩いて行くだけのことです。



左も右もねぇんだよっ
（本文とは何の関係もありません）


おしまい