常識破りの功罪Ⅲ
今日の目次
・地域の事情と私の現状
・自身の事務所でやってきたこと
・地縁血縁をベースにした関係
・中間発表としては結果オーライ
地域の事情と私の現状
私の住む市が毎月出している「市報」という小冊子が自宅とオフィスの両方に届きます。いうまでもなく市(私の場合「志布志市」ということになります。)に関するいろいろな情報が掲載されています。これが届くと、私はまず最終ページに掲載されている市の人口から確認するようにしています。
そうすると、ほぼ毎月市の人口は減り続けているのがわかります。ごくたまに、転出より転入の方が多くて数人くらい増えている月もあったりしますが、おおむね数十人単位で減少しているのです。
つまり、他の地方と同じく過疎化高齢化がかなりのスピードで進んでいるのが我が町の現状なのです。こう書きながら、自分もその高齢者の一人であることに気がつきます。
ただし私の場合、まだ現役で働いているので、若い人にそんなに迷惑はかけてないんじゃないかと思っていますがどうでしょう。私がこうやって現役で働けているのは、税理士という定年のない資格を持っているからというのはもちろんですが、一緒に働いてくれるパートナーや部下たちが支えてくれているから、というのは言うまでもありません。
自身の事務所でやってきたこと
さて、私がこれまでやってきたことと言えば、彼ら彼女らが働きやすい、と思ってくれるような組織を作ってきたことくらいかも知れません。20名足らずの小さな組織とはいえ、デスクワークオンリー、つまり事務系としては、わが町ではまあ人数的には多い方の職場だろうと思います。それくらい、ホワイトカラー専門の働く場所がちょっとしかないのが地方の現状なのです。
私は父の事務所を継いで、自分が経営責任者になった時、少なくとも職場のルールや雰囲気、挨拶の仕方、礼儀作法、立ち振る舞いといったものは一部上場企業にも負けないくらいのレベルにしたいと思いました。と言っても上場企業などで勤めたこともなかったので、その雰囲気などがどんなものなのか肌身で知っているわけではありませんでしたが。
地縁血縁をベースにした関係
正直言って、こういった考えや試みを志すのはいいのですが、地方においては若干のリスクもはらんでいます。下手をすれば『何を気取ってんだ!』とか『お高くとまってんじゃないよ!』と言われかねないからです。もっと田舎らしい、地縁血縁をベースにしたいわゆるアットホーム的な親しみやすい接し方もあるのではないか、とも考えました。
実際、父や母の時代は、そんなやり方でうまくいってきたことも事実です。例えば、母などは知り合いの名前を口にするとき、例えそれがお客さんであっても親しい人の場合、下の名前でしかも「ちゃん」付けで呼ぶことが多いのです。しかし、私はこういった地元の馴れ合い的な習慣みたいなものは、全く受け入れることができませんでした。
長く田舎を離れていた私は、そういったタイプの付き合い方をした方がいい、といわれてもどうしていいかよくわからなかったのです。にもかかわらず、母にはそうしろ(田舎風の付き合い方に)とかなり強く言われもしました。
中間発表としては結果オーライ
しかし、時代は変わっていきます。より上位レベルの考え方ややり方を取り入れるのになんの迷うことがあろう、と途中で腹を決めました。それからは、先述のようなオペレーションに切り替えたのです。
最初は戸惑いもあったと思いますが、やがて職場のみんなも慣れてきました。もちろん現在、一部上場企業並みのレベルに達しているか、と言えば、そうはいかないでしょう。それでも、雰囲気だけは目指そうぜ、と頑張っているのです。
で、結果はどうだったかというと、悪くはなかったんじゃないか、というのが中間発表ということになります。中間発表?・・というのは、まだまだ今の組織も上を目指す途中、道半ばと思っているからにほかなりません。
と、ここまでは、「私はそうした。」という話です。自分の職場の話、つまり内側の話、前置きなのです。
みんなで作ろう好い事務所(標語(^^♪))
つづく



