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減らして分かったとモノとの付き合い方―人生、残り時間を計算してみた―

海江田博士

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テーマ:自分を振り返る

今日の目次
モノを持つ楽しさだってあるのだ
私の領域を圧迫している!
消えてしまえば諦めもつく
人生の残り時間は・・・
ものを減らして長く付き合う賢い生き方
時間の質を上げる選択を


モノを持つ楽しさだってあるのだ

物質的に豊かになった日本社会では、身の回りの増え過ぎたモノをとにかく減らしていく、というのが一種の流行みたいになっていますね。
「断捨離」という言葉には著作権らしきものがあると聞きましたが、既に一般的な用語として世の中に定着した感もあります。
しかし、私はそのアンチテーゼとして、「モノをいっぱい持っていることの楽しさ、心の豊かさみたいなこともあるんじゃないか説」を以前書いたことがあります。
そのときは「ただ減らせばいいってもんじゃないだろう。モノを持つ楽しさだってあるんだ。」というのが私の言い分でした。

私の領域を圧迫している!

しかし先日、カミさんとちょっとしたことで口論になって、頭に血が上ったものの、そのあと考えさせられました。
それは、私が服や靴を持ち過ぎていると非難されたのがきっかけだったのです。
まあ確かにそうですが、だからといってカミさんにそれほど迷惑をかけた覚えもありません。「お互い好きに暮らしているんだから文句を言うなよ。」というのが私の主張でした。
これに対して、「でも、物理的にあなたのモノが私の領域を圧迫してきているじゃないの。」というのが、現状を極めて具体的に示しているカミさんの言い分だったのです。
同じ着るものにしても、私の服一枚分の分量は小柄なカミさんの倍近くにはなるので、まあ圧迫しているのかも知れないな、とは思います。靴もその靴底面積は1,5倍くらいにはなりそうです。(本当は「数」の問題なんですけどね・・)

消えてしまえば諦めもつく


売り言葉に買い言葉。「ああそうかい。わかったよ。」ということで、その日のうちに靴を10足くらい捨ててしまいました。
中には、いいなと思って買ったものの結局それほど履かなかったもの、昔好きでよく履いたけどもう何年も履いていないもの、これ結構高かったんだけどな、といったものもありました。
いずれにしても、ここのところそんなに使っていないし、今後も使う可能性は低いものだったのです。とはいえ、愛着のあるものなどもあったので、捨てきれずにいたのでした。
しかし、であります。そうやって思い切って捨ててみたら、なんか案外気持ちがいいことに気がついたのです。
カミさんの領分を圧迫していたスペースも、無事領地返還することができました。
「そうか、捨てりゃあいいんだ!」ということに気がついたのです。
もったいない、という気もするけれど、目の前から永遠に消えてしまえば諦めもつきます。

人生の残り時間は・・・

と、そこで、さらに突っ込んで考えてみました。
それは、所有しているモノの量と残りの人生時間ということであります。
私は、現在72歳。極めて健康とはいえ、人生残された時間はそう長くはないだろうと思います。
その「残り時間」と「モノとの付き合い」ということを考えてみたのです。頭の中でざっと計算してみました。
これくらいかな、と思う人生の残り時間を、持っている服の数で割ってみたのです。
そうしたら、一枚の服を着ていられる時間はそれほど多くないことに気がつきました。
お気に入りの服と思っていたところで、そいつとつき合える時間は、もうそんなに長くはないのです。
現実には、一日のうちの半分くらいは部屋着か寝間着みたいなもので過ごしています。ですから、外の世界で他人(ひと)に見られるファッションというのは、もっと短い時間しか身につけていないことになります。

ものを減らして長く付き合う賢い生き方

服や靴をそこそこ持っていたところで、それを着たり履いたりする時間はもうそんなに残されていない、ということを自覚しなくちゃ、と気づいたのです。そんな現実を考えることもなくここまで来ちゃったのが私です。
服や靴が好きでこだわりがあるのなら、逆にそれほど気に入ってもいない服、履き心地のあまり良くない靴などを着たり履いたりしている時間はもったいない、ということになります。
着ていて履いていて楽で、品質が良く、見てくれもまあまあといったバランスの取れたものを、数少なく所有して、それらと長く付き合う方が賢い生き方というもんです。
もともと着るものに頓着がない、という人はこんなことなど考えることもないのでしょう。
しかし、私みたいに服や靴が好きで、これまで散々買いまくっていた身としては、そんな風に心の整理をつける必要があったのです。

時間の質を上げる選択を

老後の生き方についていろいろ書かれた本を読んでいると、つき合う人の数や世間的なしがらみはどんどん減らしていくべき、といった内容のものが多く見られます。
まあ、その通りでしょう。
また、それと同時に身の回りのモノも減らしていくべき、とも書かれています。
しかし一方で、年を取るほどにお洒落などにも気を配るべきであり、装うことに無頓着になったら一気に老け込んでしまう、とも書いてあります。
とはいうものの、少ない服でお洒落に見せるというのは、それなりにセンスを磨く必要があります。
モノを減らしつつお洒落も磨くなどというのは、年を重ねてからにしては随分難しい高度な課題ではないでしょうか。
しかし、前述のように、残された絶対時間の中で、多くのモノを持っていたとしても、それに費やせる時間が限られていることは確かです。
モノの頭数を減らして、気に入ったモノとじっくりつき合う方が理に適っているのは間違いありません。
今回、たくさんの靴を一気に捨ててみて、案外気持ち良いことに気づかされました。
一番大事なのは「モノ」ではなく、もちろん「時間」です。
ということで、この歳になってようやく、モノを減らして時間を有効に使う、という最適解に辿り着くことができました。
さて、思い切って捨てまくることができるでしょうか。



モノを減らさなきゃなあ・・・

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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