『選ばれる税理士ファッションとは?』―ダサきゃおしまい!スタイリストからのきついメッセージ―Ⅰ
今日の目次
・結構持っておりまして
・運動靴なんてどっちでもいいじゃん
・コンバースは貴重品
・コンバースかプロケッズか?!
結構持っておりまして
スニーカーが好きである。しかし、当たり前の話だが、平日の昼間はずっと働いている身、スニーカーを履くのは週末かその他休みの日と決まっている。
その数日のためだけならば、休みのときしか履けないスニーカーなんて、そんなに沢山抱えている必要などないはずだ。(と、カミさんには口やかましく言われております。)にもかかわらず、大量に所有しているのは、まあ好きだからにほかならない。
一部の愛好家の中には、全く履かないものも含めて、すごい量のスニーカーを飾りながら所有している人もいると聞くから、私なんぞ可愛いものなのかも知れない。私はあくまでも実際履くためのものしか買わない。だから購入したスニーカーはできるだけローテーションをかけて万遍なく履くように心がけてはいるのだが、いかんせん前述のように、休みの日にしか履く機会がないので、なかなか登場できない奴も出てくる。
今こんな風に、スニーカー、スニーカーと普通に言ったり書いたりしているが、遠い昔、私がまだ若かった頃、このスニーカーという用語は一般的ではなかった。といっても、50年くらい昔の話である。
運動靴なんてどっちでもいいじゃん
最初にスニーカーを意識したのは確か20歳の頃だったと思う。友人の一人が、朝出かけるのにどの靴を履くか、彼の兄と揉めているのを見たときの話だ。たまたま、その友人のアパートに泊まっていた私はその様子を興味深く見ていた。
アメリカへの留学から帰ってきたそのお兄さんが、向こうから持って帰ってきた靴を「今日は俺が履きたいから貸せよ。」と私の友人。「いや、今日は俺が履く予定だ。」と兄貴。「この前は、お前が履いたじゃないか。今日は貸してくれよ。」と友人。「ダメだ。今日は俺が履くんだ。」と兄貴。
朝から玄関先で、その日履く靴について揉めて、険悪な空気になっている二人を見て私は不思議に思った。その揉めている原因になっている靴というのが、私から見ればただの運動靴だったからである。
キャンバス生地のスニーカーを当時私は、ただの運動靴としか思っていいなかった。もっと言えば、当時「ズック」と言っていたはずである。体育かなんかの時履く安物の靴としか思っていなかったのだ。それを兄弟して朝から取り合いをしている。
ほかに靴がないわけでもなかった。『どっちでもいいじゃん。』・・その争いの様子を見ていて、私はおなかの中で思っていた。
コンバースは貴重品
運動靴、今でいうスニーカーがお洒落靴として機能するのだ、ということを始めて軽く意識した出来事だった。意識したと言っても、そのときは何のことやらさっぱりわからない。
その争っている運動靴の「どこがそんなにいいんだろう?」と不思議だったのだ。しかし、その後しばらく時間が経って、自分にもスニーカーの知識が少しついてきたとき、あの兄弟が取り合いしていたのは、友人の兄貴がアメリカから買ってきたコンバースのオールスターだったらしい、ということに気がついた。
これもあとで学習したのだが、当時、コンバースはそう簡単に手に入る代物ではなかったのだ。アメリカ帰りの兄貴が持ち込んだコンバースは、あの頃極めて貴重な逸品だったのである。
そういえば、映画「アイ、ロボット」の中で主演のウィル・スミスがコンバースのハイカットバスケットシューズを履くシーンがある。ハイテク全盛の世の中でレトロな佇まいのキャンバスシューズが、ものすごくカッコよく映る一シーンだ。
コンバースを巡る大昔の兄弟喧嘩。とにかく、そんな軽い目覚めから始まって、私のスニーカー歴は50年以上に及ぶことになる。
こいつはコンバースのジャックパーセル。
レザー使用で定番の名品です。
コンバースかプロケッズか?!
コンバースといえば思い出すことがある。ようやく、そういったスニーカーのカッコよさが、当時の私たち若者に浸透し始めた頃、コンバース、ケッズ論争というのがあった。
確か、アメリカの東海岸を代表するコンバースと、西海岸を代表するプロケッズ(ん?逆だったかな?!)のどっちがカッコいいか、の論争だったと記憶する。最初、単なる運動靴にしか見えていなかった私も、この頃になると、「スニーカーをカッコよく履きたいな。」と、意識するようになっていた。
雑誌やなんかでそれを見ていた私は、当時、やや手に入りにくかったプロケッズの方に軍配を上げた。つま先に赤と青のストライプが目印についているプロケッズを何とか手に入れようと頑張ったのだ。今考えれば、6千円か7千円くらいだったと思うが、当時としてはかなり高根の花だった。
バイトかなんかで金を作った私は、ようやく念願のプロケッズを手に入れることができたのである。当時付き合っていたガールフレンドの前で、プロケッズの靴の裏を見せて「ほら、この靴はアメリカでバスケットシューズとして使われているから、滑り止めのためにこんな風に複雑に溝が掘ってあるんだよ。」と軽く自慢をしたのだった。で、その後二人で出かけた。
そこで調子に乗って、玉川上水沿いの土手を歩いていたとき、濡れていた地面で足を滑らせてすってんころりんと転んでしまったのだ。滑り止めが完璧なはずのアメリカンスニーカーでとんだ恥をかいた一幕だった。
こいつは珍しいブルーのコンバースオールスター。
つづく