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社長の「情報発信(アウトプット)」を最高の武器に―姿勢を正し「考え方」を身につければ鬼に金棒―

海江田博士

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テーマ:「情報発信(アウトプット)」戦略について

今日の目次

事務方に任せない

自分で考え、書き、しゃべるのが原則

「考え方」から入るのが鉄則

最も大切なのは経営者の「姿勢」

トップから変わらざるを得ないのが組織の宿命




事務方に任せない

私が、経営者の皆さんに「なにか書いたもので「情報発信(アウトプット)」してください。」というと、最初によく聞かれるのは「私は、文章を書くのはどうも苦手だよ。私ができないときは、あなたが代わりに書いてくれるのかね?」というものです。
この質問に対する私の答えは極めてシンプルです。「いえ、私は一行も書きません。書き手はあくまでも社長です。そうでなければ全く意味がありません。」そうすると相手の社長は「そうはいってもなあ・・・」といった顔をしています。「俺、書けないしなあ・・・」と。
社長もある程度の年数をこなし、業界の中でそれなりのポジションを得て役職などについたならば、例えば毎年行なわれる定期的な会合での挨拶文といったものは、事務方が用意してくれるのが普通です。その場合、その型通りの無難な挨拶を済ませて「はい、おしまい。」といったケースが多いのではないでしょうか。しかしそこでは、何ら社長らしさも独自の主張といったものも表現されてはいません。


自分で考え、書き、しゃべるのが原則

私がお勧めしている、社長の「情報発信(アウトプット)」を、そういったものと同レベルに考えては全くお話にならない、ということです。経営者が行なう情報発信というのは、自分で考え、自分で書き、自分でしゃべることが原則です。
よく、
―おなかの空いた人に魚を与えても、それを食べてしまえば1回でおしまいである。また、お腹が空いたときにも、同じように魚を与えなければならないことになりきりがない。しかし、その人に魚の「釣り方」を教えることができれば、自分で食べ物を調達できるようになり、一々人が与えなくても、ちゃんと生きていけるようになる。―
といったことを言います。
これは、単発でただ「もの」を与えるのではなく、「やり方」を教えれば、人はずっと自分でなんとか道を切り開いて行ける、ということの例えとして、よく使われるお話です。
つまり、ノウハウやハウツーをかじるだけの勉強では、常に単発で終わってしまうということを意味しています。


「考え方」から入るのが鉄則

私が、経営者にアドバイスや助言として提供するのは、ノウハウやハウツーだけではなく、「やり方」まで含まなければ意味がない、と先述しました。しかし、実はそれだけでもまだ足りないのです。どういうことでしょうか。
それは、もっと深く考える必要があるのです。先述した「やり方」を教えるだけでもまだ足りない、ということを意味します。それでは、いったいどうすればいいのでしょうか。
「やり方」の前にその手前の「考え方」から入らなければなりません。まず「考え方」から入り、「やり方」を一緒に検討し、「何を」やるかまでも見届けます。更にその「検証」まで付き合う必要があるのです。このレベルまで踏み込んでいろいろな助言はようやく実のあるものになるのです。
これが、私が助言やアドバイスをするときの一連の流れです。こうやって、経営者に考え動いてもらうのです。


最も大切なのは経営者の「姿勢」

ただ、その前にさらに大切なことがあります。それは経営者の「姿勢」です。「考え方」は入口としては大事ですが、そもそも向き合う「姿勢」がなければ、その「考え方」を助言するところまで行き着きません。
「俺は、そんな風には考えたくない。」とおっしゃる可能性があるからです。または露骨に「俺は、そうは思わないんだけどな~」という態度を示されることもあります。これではほとんど成果は上がりません。
この「姿勢」に関しては、事前にお話しをしたり、個別相談の場などで、最初にかなり突っ込んだ打ち合わせを行なうことになります。しかし、そこでどうしてもお互いの方向性が一致しない場合は、せっかくの助言も功を奏さないケースも出てくることになるのです。
つまり「魚の釣り方を教えますよ。」と表明しているのに「黙って魚だけくれればいいんだよ。」と言われているようなケースです。これでは、話が建設的になることはありません。助言やアドバイスがうまくいくかどうかは、なんとかして現状を変えたい、より良くなりたい、という情熱がいかに社長にあるか、にかかっています。


トップから変わらざるを得ないのが組織の宿命

基本にそういった「姿勢」があって初めて「考え方」を整理することができるのです。これに続けて、「やり方」を決め、決めたことを果敢に実行してもらいます。そして、それを「検証」することで、反省し修正すべき点があれば素直にそれに向き合う、といったプロセスを重ねていくのです。こうしなければ、現状が変わることはありません。
会社という組織も同様です。トップがやるべきことにそうやって向き合っていれば、やがて組織そのものも変わってきます。というか、組織はこの順番でしか変わりません。
現状ある課題に対して、トップが何もしなくても、下の方からジワジワと改善される、といったことは絶対に起こらないのです。良くも悪くもトップから変わっていかざるを得ないのが組織というものの宿命です。
社長はこのことを肝に銘じて、重要な課題解決のために、私たちの助言やアドバイスを戦略的に使いこなすことをお勧めします。



徹底的に考えてください

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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