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社長、一歩抜きんでなければ―リスクを恐れていては何も実現しない―

テーマ:「情報発信(アウトプット)」戦略について

余計なことをしなければ・・・

これまで、「情報発信(アウトプット)」など考えたこともなく、取り組んでもこなかった社長が、何かしらの形で「情報発信(アウトプット)」を始めるとすれば、それは「新しいことへの挑戦」ということになります。それを「是非やりましょう!」とお勧めするのが私の立場ですが、そうすると必ずこういった反論が出てきます。
「先生はそう言うが、そもそもSNSなどと言うのは、何かと叩かれる危険性が高いんじゃないの? 下手なことを書いて誹謗中傷の的になったとか炎上したなんて言いうのはよく聞く話だ。それって結構リスクが高いんじゃないの?」
まあ、この質問に対する一番シンプルな答えは「下手なことを書かなきゃいいんですよ。」ということになるのですが、確かにこの社長のおっしゃるように、何が攻撃材料にされるか予測不能、不透明な世の中でもあります。余計なことをしなければ余計な心配をしなくても済む、というのは当たり前の理屈でしょう。


「リスクを取る」とは

それでは、この情報発信云々の前に、そもそも「リスクを取る」という点について考えてみましょう。こういう場合の「リスクを取る」というのはどういったことを指すのでしょうか。
現状の経営が頭打ちである、或いは下降傾向にある、という場合、何かしらの新しい手を考えなければならない、というのはご理解いただけると思います。「景気」が循環型だった昔ならともかく、何もしないで、現状が回復する、或いは上昇していくなどと言うことは現代ではあり得ません。
つまり、好不況がほぼ定期的に繰り返し巡ってきていた20世紀以前の経済社会であれば、同じことをやっていても、「景気」という外的要因によって不況から回復するといったことも考えられたでしょう。しかし、そんなのどかな時代はとっくに終わりを告げました。現代経営においては、自ら何か新しい基軸、アイデアを出さなければ確実に下降線のみをたどって行くだけです。
そこで経営者のみなさんは、情報を収集し考え知恵を絞ると思います。その結果、経営者が導き出した結論は、ほとんどの場合自社がそれまで試みたことのない新しい切り口になるはずです。そして、これにチャレンジするということは、ほぼ間違いなくリスクを伴います。それまでやったことがないことに挑戦するのですから当たり前といえば当たり前のことです。これが「リスクを取る」ということの本当の意味なのです。


リスクにかけるか「確実な終わり」を迎えるか

さてここで「リスクがあるからやっぱりやめよう。」と思うかどうかです。リスクを取らないということは、緩やかではあるが確実な死(多くの場合「廃業」)をもたらします。一方、リスクを取って新しいことにチャレンジするというのは、成功するかも知れないけれど、下手をすれば劇的な死(多くの場合「倒産」)といったことをもたらす可能性があります。
経営者には「さあ、どっちを取りますか?」ということになるのです。経営者が新しいことにチャレンジするというのは、こういった事態も想定して臨む覚悟が必要なのです。
ただ、ここで言えるのは、リスクを取ったチャレンジというのは、例え失敗してもそのすべてが劇的な死(倒産)に至る訳ではない、ということです。「トライ&エラー(試行錯誤)」と言った考え方で、うまくリスクを最小限に抑えながら継続的にチャレンジしていくことは不可能ではありません。むしろその方が成功の可能性は高いでしょう。
確実に言えるのは、座して何もしなければ緩やかな死(廃業)に至ることは間違いないということです。これに対して、リスクを取ってチャレンジすれば、生き残れるばかりか、予想外の新たな成功の可能性も生まれるということなのです。事業の永続的な繁栄を願うのであればどちらを選ぶべきか、言うまでもないでしょう。


心配ご無用

それではここで、「情報発信(アウトプット)」に話を戻しましょう。冒頭取り上げたのは、SNSなどで「情報発信(アウトプット)」するということは、炎上或いは誹謗中傷といったリスクを背負うことになるのではないのか、という危惧のお話でした。
私は、これは0(ゼロ)とは言いませんが現実には起こりにくい、と思っています。なぜなら、経営者が行なう事業についての「情報発信(アウトプット)」であれば、通常ネガティブな内容を発信する必要がないからです。というより、ここにおいては、意図的にポジティブで前向きな姿勢を常に見せるべきです。
それでも、仮に誹謗中傷などがあったとしても、それはおそらく一過性のものとして収まると思います。ポジティブで前向きな姿勢に対して、相手が攻撃を続ける理由がないからです。
私はこのように、「情報発信(アウトプット)」に関するリスクについては、基本的にそれほど危惧する必要はないと考えています。そんなことを心配するよりも、どんな風にポジティブに明るく楽しく我が社のこだわりやアピールポイントを伝えていくか、を考える方がよほど前向きで建設的である、と思うのですがいかがですか。



常に攻めなきゃ

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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