先行投資の肝っ玉―やるときゃやる!ここぞ!というとき経営者は腹をくくってかかろうよ―
[過去の数字はもうわかった]
「決算書」を作成し、税務申告を行なう際に作られるのは、その年の実績を表した「過去の財務諸表」になります。
一方、経営計画で作成する「財務諸表」は、同じ「財務諸表」でも「未来の財務諸表」ということになります。
私の事務所では、近年この経営計画策定の需要が急速に増えてきています。
我々の仕事に対して
「過去の数字はもうわかった。未来の姿を見せてくれ。」
という声が大きくなっているからです。
とはいえ、言葉をそのまま写す口述筆記と違って、経営者の頭の中にあるまだモヤモヤとした構想のようなものを顕在化させなければなりません。
そのため、少し手間がかかります。
ここでかかってくる「手間」については、次の2つの点があげられます。
まず必要なのは、聞きだす力、いわゆる「質問力」です。
モヤモヤとした経営者の頭の中を整理させ、表現させるには、上手な質問で顕在化するまで導いて上げる必要性があります。
それができたならば次に必要なのは、まとめる力「構成力」です。
経営計画は、最終的には数字にまで落とし込んでいかなければなりません。
そのため、ラフな構想段階であれば、それに対してそぎ落としたり加えたりという作業が必要になります。
これらは経営者との共同作業と言っていいでしょう。
経営計画策定においては、こういった「手間」が大切な要素となってくるのです。
いずれにしても「なりたい自分」を、経営計画策定という手段を使って表現してみるというのは、これからの厳しい時代を生きる経営者にとって必須のアイテムとして定着していくと思います。
そのための欠かせないパートナーとしてのポジションを、会計事務所は担うべきと思っています。
未来の姿をお見せしましょう。
おしまい