あらゆるものが端末になる世界―競争はアプリからボットへ―Ⅲ(おしまい)
[失敗の分析は既に済んでいる]
宮永俊一三菱重工業社長へのインタビュー記事。
このインタビューで最大の疑問であり残念なのは、なんといっても宮永社長が「もう造れない」と言っていることです。
「そんなことはないだろう!」
と、思うのは私だけでしょうか!?
客船事業における損失が、半端な金額(2400億円)ではなかっただけに弱気になっているのは分かります。
他の事業の構造改革が進んでいなければ会社が傾いてしまうほどの損失だったのだから、すっかりビビってしまった、ということなのでしょう。
しかし、このインタビューでも述べられている通り、失敗の分析は既に済んでいます。
なおかつ、基本的な躯体を造るための造船技術は、おそらく今でも世界トップクラスだろうと考えられます。
要は、直接豪華客船を利用する利用客、中でも快適性や利便性、ファッション性やセンスを求めるアッパーな顧客層に対応できなかったということでしょう。
ただ、そこに関してはこれまでノウハウがなかったのだから仕方がありません。
学習していくしかないのです。
とはいえ、この場合の学習というのは、三菱重工業がこれまで標榜してきた「自前主義」を指しているのではもちろんありません。
他の専門家とのコラボ、提携、或いは外注先としての利用までを指して総合的に学習するべきだ、ということになります。
こういう贅沢を演出しなきゃあ・・・
つづく