常識破りの功罪Ⅰ
[農畜産業の業績を左右するたった二つの要因「相場」と「商品力」]
「相場」が高い時には、生産物は黙っていても捌けるどころか、市場が品不足のため少々難ありの商品でも高値で取引されます。
どんどん出荷すればそれだけ儲けることができるのです。
逆に「相場」が低いとき、それも限度を超えて低いときなどは悲惨なことになりまする。
場合によっては生産原価を割ることもあり得るのです。
そういったとき、特に農業の場合、在庫が残ってしまうというよりも、あえて「コストをかけてまで出荷をしない。」といった選択をすることもあり得ます。
収穫しないで畑にそのまま残す、或いは重機でつぶすといった光景が時々テレビなどで放映されているのはそういう理由によるのです。
動物が相手の畜産の場合はそれもできないために、赤字覚悟で泣く泣く市場に出荷することになります。
この「相場」という奴は、こちらからではコントロールの効かない外的要因によるものなので、今回はそれを超える打ち手はないか、という点を考えてみたいと思います。
「相場」に左右されない打ち手とは何か?
それが「商品力」になります。
「相場」が下がった時にも、それにほとんど影響されずに高値で取引される商品(農畜産の場合、生産物或いは個体)が世の中にはあります。
それは、付加価値が高く希少なために、市場で引っ張りだこになっている商品ということになります。
農産物でいえば、夕張メロンや山形のサクランボ、宮崎のマンゴーなどにありましょうか。
畜産物では松坂牛、鹿児島黒豚、名古屋コーチンなどが思い浮かびます。
これらは地域を代表するブランド品であり、日本はおろか海外でも高値で取引されています。
ここまで上り詰めれば「相場」に左右されることはありません。
鹿児島黒豚を使ったチャーシュー。
本文とはあまり関係ありませんね。
つづく