常識破りの功罪Ⅱ
中小企業の現状
大企業は急速に改革を進めて、ITの導入などビジネス環境の整備を進めています。
一方で、こういった状況からいまだに取り残されているのが、中小零細企業の現状と言えるでしょう。
中小企業において、ITに関するシステムの導入が一向に進まない原因に、費用と操作性に対応できないという問題があります。
ITを駆使するためのコンピュータの導入には多額の費用がかかり、その操作においてもかなり習熟した専門性が求められます。
中小企業といえども、コンピュータも従来のサーバー型の集中処理設備では、投資額が数千万から億かかる可能性があるのです。
この単位の投資金額では、対応できる中小企業は限られてくるでしょう。
クラウドの登場
しかしながら、この状況に対して救世主的な技術が現れました。
それは、これらの厄介な問題を解決するのが「クラウド」だと言われているのです。
当然私の事務所も、所内処理システムに関してはクラウドを導入しています。
サーバーによるシステム管理からの移行だったのですが、その前の先行的設備投資もあり、これに関しての費用はそれほど掛かりませんでした。
クラウドによる一元管理は同時に「情報格差」も大部分解消してくれます。
情報の入手において場所のバラつきがほぼなくなるからです。
この点は、インターネットが普及した時点からほぼ解消されていたのですが、クラウドによってその機動性がより増した、と言えるでしょう。
IT活用による情報入手は全国ほぼフラットになったといっていいと思います。
「情報格差」にまだ課題があるとすれば、肉声によるセミナーや先端施設の視察など、直接触れなければその実感が伝わってこないものなどではないでしょうか。
その点はまだ地方の方が不利と言わざるを得ません。
「情報格差」や「処理能力格差」は、今や大きな設備投資を伴わなくても解決できるようになりました。
要は、経営者の考え方次第なのです。
経営者の考え方そのものが「人材格差」の要因と言われないように、トップは常に変化対応を心しておかなければならない時代になったのです。
中小企業の夜明けは近いか。