涼しい顔して「OK」と言えるか―「もったい」をつけないのが男の力量―Ⅱ(おしまい)
それぞれの国に多くの文学作品がある中、どの国の文学もいろいろと読み漁ったのですが、振り返ってみると私はドイツ文学が好きで、多くの作品を読みました。
他にも、ロシア文学、フランス文学などはまあまあ読んだ方だと思いますが、何故かイギリス文学やアメリカ文学などはあまり読んでいません。
中学から私立に進んで、学業がうまくいかず、こっぴどく挫折を味わっていた私はちょうどその時期にヘルマン・ヘッセと出会ったのです。
ヘッセの「車輪の下」という小説は、やはり私立の名門校に入った田舎の優等生が手ひどく挫折し、精神にまで変調をきたす、という内容でした。
その頃の自分の境遇に重ね合わせて、貪るように読んだのを覚えています。
「車輪の下」は、何回か、繰り返し読みましたが、最初読んだときは、読み終わった後しばらく頭がボォーッとしていたことを思い出します。
ヘッセは20世紀半ばまでを代表するドイツの作家で、文学的評価はそれほど高くはないようです。
そんなこととは関係なく、青少年の苦悩を描いた彼のいくつかの作品が、あのときの私の心境にぴったりときたのだろうと思います。。
また、印象的に覚えているのはトーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」という短編作品です。
トーマス・マンは、ルキノ・ビスコンティ―監督の映画「ベニスに死す」の原作者で、現代ドイツを代表する作家の一人でもあります。
「トニオ・クレーゲル」は、作家になった主人公が、文学など無縁に市井の中で生きているかつての初恋の人を遠くから見つめる、といった内容です。
作家の中にある芸術的なものの持つ精神性と、そんなものとは関係なく普通に営まれる市民生活との相克といった彼の永遠のテーマを描いている作品でした。
つづく
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