能力とリーダーシップ―経営者の資質のあり方について考えてみる―Ⅵ(おしまい)
いうまでもないことですが、進学校というのは、その内部における人の評価は、成績の良し悪しですべてが決まってきます。
もちろん一般の学校でも成績のいい奴は一目置かれることでしょう。
が、また一方でスポーツが得意とか喧嘩が強いとか、違う得意分野もそれなりに尊重されると思います。
しかしながら、進学校の場合かなり話が違ってきます。
そういったこととは全く違った次元で、成績によるその人間に対する評価がシビアなのです。
ここでは劣等生というのはひどく居心地が悪いことになります。
それは普通の公立学校などの比ではありません。
その存在意義は極めて希薄で、言わば全否定のような立場に置かれることになるのです。
考えてみれば、勉強というのは仕事と違って相手のあることではありません。
ほぼ100%自分との闘いです。
したがって、ひたすら頑張れば必ずそれなりの結果は必ず出るものなのです。
極めて単純なのです。
そんなことは分かっていたのにそれをやらなかった、やれなかった自分がいたのです。
コツコツと真面目に努力を続ける同級生を横目に、わかっちゃいるくせに勉強をやろうとしない自分が腹立たしく、それが劣等感に更に輪をかけました。
このころです。
「何にしても、勉強のできる奴がすべてにおいて上を行くんだよなあ。」
という、いかんともしがたい敗北感、劣等感が身についてしまったのは。
つづく