日本独特の「安定志向」の仕事観は「きわめて異様」―「働き方」の本質についてについて考える―Ⅰ
私は東京を離れて田舎に帰ったとき、敷地の狭い町中や木々に囲まれた草深い内陸部に住む気などさらさらありませんでした。
「田舎に帰ったら絶対に海の見えるロケーション」
と家内とともに決めていたのです。
という訳でそのロケーションを探しまくって建てたのが、このコラムにも時々その景色が登場する我が家なのです。
(晴れた日、庭先からのロケーション)
しかしながら、これは今回の「海のロケーションと日本文化」というテーマにも通じるかもしれませんが、当時私たち夫婦のこの立地選定は周りにほとんど理解されなかったのです。
それどころか
「景色はいいかもしれないけど風が大変だよ。」
「台風の怖さを知らないんじゃないの?」
「何でそんなところに家を建てるの?」
ケチをつける人が多いのには驚きました。
ケチをつけられようが、こちらは立地を変えるつもり毛頭ありませんでした。
もちろん私には事前に風も台風も計算済みでした。
全くもって、余計なお世話だったのです。
別に諸手を挙げて賛成してくれなくてもいいのですが、ローンをかかえてヒーヒー言いながらそれを返すのは私です。(実際ヒーヒー言っている)
誰に迷惑をかける訳でもありません。
そんなにケチをつけなくてもいいじゃないか、と思ったものです。
現代のテクノロジーをもってすれば、1年に1回か2回来る程度の台風に耐えられるくらいの家の強度など、どうってことなく確保できる訳です。
だとすれば、素晴らしいロケーションの方を取らない手はないではないか、と考えたのが私たち夫婦でした。
海っ端に個人が家を作るくらいの話でこれだけの騒ぎだったのです。
これが日本人の(特に田舎の)「海に望むロケーションを選ぶ」ということに対する一般的な考えだったのでしょうか?
つづく