常識破りの功罪Ⅲ
経営者が事業を引き継いでいく際の、世代間(主として親子)で起きる様々な問題については、これまでに随分しゃべったり書いたりしてもきました。
この問題、世の中に事業というものが存在する限り避けられないものなのかも知れません。
多くの経営者がこの問題に直面して頭を痛めていますし、企業小説、映画やドラマなどでも取り上げられることの多いテーマでもあります。
私も、自分のケースを含めいろいろな事例を見てきました。
この問題を考えるたびに、それにしてもこれは根が深い問題だなあ、といつも感じます。
今回このテーマを大きく二つに分けてみました。
それは、先代経営者から見た後継者が「良い子」である場合と「悪い子」である場合の2つのパターンです。
この場合の「良い子」というのは、自分(先代経営者)の言うことをよく聞いて、教えたとおりに普段の商売にしろ対外的な交渉事にしろ、そのやり方を守ってはみ出ることのない後継者のことを指します。
先代経営者から見れば、やりやすい、教育しやすい後継者といえましょう。
一方、「悪い子」というのはこっちの言うことをちっとも聞かず、自分の思い通りに仕事を進めようとするわ、訳の分からない新しいことにはチャレンジするわ、という後継者のことです。
先代経営者からすれば、やりにくい、いささか腹立たしい存在といえましょう。
私は、東京から田舎に戻ってきて多くの顧問先を見てきました。
そのお客さんに後継者がいる場合、その後継者は上記のような二つのパターンに分かれます。
つづく