若者の起業を邪魔するな!―とりあえず応援してあげなよ!大切なのは先輩経営者の度量―Ⅲ(おしまい)
さて、出雲氏は、若者の企業に関して次のように続けておられます。
― そんな完璧な経営計画を立ててからベンチャーをやろうなんて若者はいない。
そもそもビジネスの経験のない若者から、ベテラン経営者をうならせるような斬新なアイディアが出てくると思ったら大間違いだ。(中略)
(彼らは)未知の世界に迷いながらも飛び込んでいるのが実情だ。
「やってダメなら大学に戻ろう」とか「試しにやってから就職活動しよう」といったゆるい動機でも全然構わないと私は思う。―
氏の意見に全く同感です。
日本的なアドバイスの言葉の中には
「腹を切る覚悟はあるんだろうな。」とか
「起業は背水の陣で臨まなければ成功なんて覚束ない。」とか
「事業と心中する覚悟はできているのか。」
とかいった仰々しい言葉がよく並ぶことがあります。
確かに、これから起業するという年端のいかない若者に、そんな言葉を投げかけても「よく分りません・・・」と返事するのが関の山dしょう。
出雲氏はさらに続けます。
― 企業をサポートする方にお願いしたいのは、もっと優しくファシリテートしてほしいということだ。
「大いにやりたまえ」と背中を押したらあとは本人が勝手に勉強していくはずだ。(中略)
(彼らだってうまくいかなければ)試行錯誤するに違いない。
そうした過程で悔しい思いをすればおのずと行動力も湧いてくるし、斬新なアイディアだって生まれてくるかもしれないのだ。―
ここにある「ファシリテート」は、次のような意味になります。
「組織が目標を達成するために,問題解決・合意形成・学習などを支援し促進すること。また,そのための方法。」
先輩経営者には、こういったコミュニケーションの技術を身につけ、「大いにやりたまえ」という度量を持ってほしいと思います。
そうすれば、出雲氏が言われるように、行動を起こし試行錯誤し学習するはずです。
そこのところを待ってあげられなければ、先輩である意味がありません。
しかし、多くの場合次のようになってしまうのです。
つづく