ビジネスにおいても見た目の印象は大事―流行とシルエットを考える―
しかしながら、長い間税務1本で食べてきた我々は、他に何ができるのかプレゼンテーションする術(すべ)を知りません。
せっかく、様々なノウハウやスキルを身に付けても、見た目が税務1本で手堅く仕事をこなしてきていたころとまるで印象が変わらなければ、周りの人々は「できる奴」とは思ってくれない訳です。
かつて、税理士は、手堅く、真面目で、地味で重厚な印象の方が安心して仕事を頼める、という評価だったのだろう、と思います。
それは「税務」という極めて限定され固定化された分野のみを担当し取り扱っていたからにほかなりません。
ところが、その手堅く真面目そうという評価が、紙一重で見た目「ダサい!」と判断されるようになればどうでしょう?
「こんな人に頼んで、いろいろな対応能力あるんだろうか? 大丈夫か!?」となってくる訳です。
つまり、顧客のニーズが「税務」という限定された分野をはみ出して、他のサービスとの柔軟な組み合わせになってきた現在、単に手堅く真面目に見えるだけでは、世の中にアピールしなくなったのです。
入り口のところで、ある程度さばけた雰囲気も醸し出していないと世間に評価してもらえにくくなったのです。
しかし、これはある意味税理士にとって由々しき事態であります。
というのは、我々は手堅く仕事をこなす、という印象を与えること以外、自らをプレゼンする術(すべ)を磨いてこなかったからです。
それなのに、今さら「少しくだけた印象を・・」と言われてもいったいどうすればいいのか!
「装う」ということがこんなに大事なファクターであることに我々は思いが至ってこなかったのです。
業界的にはむしろ「装わない」ことを是としてきたような文化があったことは否定できません。
つづく