顧客と向き合う、ということⅢ(おしまい)
(3)顧客の中にある「先端」
とすれば、世の中その最も最前線の「先端」はどこにあるのでしょうか?
おそらくそれは顧客の中にしかありません。
それでは、顧客の中にある「先端」とは何でしょうか?
それはおそらく鈴木会長が言われるように『顧客の変化』でしょう。
顧客がどう変化して何を望んでいるか、という現象の中以外に「先端」などありはしないのです。
マーケティングとはまさにこの「先端」を探し出す手法、といっても差し支えありません。
顧客の変化をどれだけ敏感に察知するか、察知した顧客の変化にどれだけ適切に対応することができるか。
これら一連の作業を最も効率よく実施できるのがマーケティングの優れた手法なのです。
(4)データから離れる
鈴木会長は次のような大胆な支持を出すことがあるのだそうです。
― 精緻な情報システムで販売管理を行なうセブンだが時折、「データを見るな」という指示が鈴木氏から出る。
惰性での仕事を戒め、いま一度、自らの手足を動かしたうえで、顧客のニーズがどこにあるかを自分の頭で考えさせるためだ。―
データや数字は、我々税理士の専門分野でもあります。
経営支援には必要不可欠な要素と信じてやまないところでもあります。
ところが鈴木会長は、そこからも「時折離れろ。」と指示を出すのです。
頭でっかちになっては何もならないという戒めなのでしょう。
(5)顧客目線は革新力の源泉
―消費者の求めるモノは変わり続ける。(中略)
顧客目線は革新力の源泉だ。―
変化に対応した革新こそが企業成長に最も必要な要素です。
マーケティングはその革新に大きく貢献する手法、考え方です。
この「革新の源泉は『顧客目線』である。」という鈴木会長の哲学は昔から全く変わっていませんし、我々の最も学ぶべきところです。