眼科医が警告 まつ毛エクステの危険性
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角膜やまぶたの感染症、最悪の場合、まつ毛がなくなることも
まつ毛エクステンション(以下、まつ毛エクステ)の最大の問題点は、眼球の角膜近くで行われていることに原因があります。
まつ毛への施術は美容行為であるため美容師も可能ですが、まつ毛の施術が影響で隣接した角膜に障害が及んでも、眼科医の診察を受けなければ、詳細な状況把握や治療は不可能です。障害としては、角膜やまぶたの感染症、接着剤のアレルギーによるまぶたのはれ、角膜障害、さらに、逆さまつ毛に加え、最悪の場合、まつ毛が全くなくなることが挙げられています。
米国眼科学会でも、つけまつ毛やエクステンションの危険性を警告
厚生労働省は2008年3月に、東京都公表の「まつ毛エクステに関する危害状況」を受けて危害防止の徹底をはかる通知文書を出しましたが、その後もまつ毛エクステに関する危害の相談は増加しており、相談件数はすでに150件を超えています。
国内だけでなく米国眼科学会でも、2013年に、つけまつ毛やエクステンションにより、目元にさまざまな危険性があることを警告しています。厚生労働省は、まつ毛に関する施術を美容行為と位置づけていますが、まつ毛エクステは美容院だけでなく、エステ店やネイルサロン、さらに最近では、まつ毛エクステ専門のサロンでも行われています。これらの店舗で美容師が施術しているかどうかは定かではありません。
資格を持たない人が施術する他、トラブル時の対応の悪さが問題に
目元というデリケートな部分に行うまつ毛への施術は、接着剤や器具の刺激、また施術者の技術によって危害が発生しやすいため、細心の注意が必要です。そこで、被害の未然防止・拡大防止のため、まつ毛エクステの危害について最近の状況を報告します。
◆寄せられた相談の一例
まつ毛エクステをした日の夜から目が痛くなり、涙が止まらなくなったので救急で眼科に行くと、角膜全体に傷がついている。「接着剤が原因ではないか」ということで、しばらく通院が必要と言われた。翌日店舗に事情を話したが対応が悪い。(30代・女性・給与生活者)
◆問題点
厚生労働省は、まつ毛の施術は美容師法の美容に当たるとの通知を出していますが、美容師の資格を持たない人が施術していると見られるケースもあります。まつ毛エクステは目元の施術であり、接着剤の使用など危害が生じる要素が多いことを頭に入れておきましょう。また、トラブル時の対応に問題のある店舗があるのも事実のようです。
問題が発生したら、すぐに眼科検診を受け、保健所へ情報提供を
先にも述べたように、デリケートな目、及び目元への施術は目への危険が懸念されます。問題が発生したら、すぐに眼科診察を受け、まつ毛エクステを行ったことを告げましょう。危害を受けたら消費生活センターへ相談の上、地域の保健所や衛生担当部署へ情報提供をしてください。
厚生労働省の通知が発信された後も、まつ毛エクステの施術による危害の相談は増加しています。中には美容師法に抵触しているおそれのある例も見受けられます。危害の未然防止・拡大防止のため、関係機関などにより適切な対応が行われるよう要望します。
近視・老視矯正・白内障手術のプロ
田川考作さん(小矢部たがわ眼科・金沢視力矯正レーザーセンター富山)
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