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消費税10%へ、何を基準に判断?

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平成27年10月には、消費税率2%のさらなる引き上げが控える

消費税10%へ、何を基準に判断?

私の消費税率3%引き上げの影響は、3月末の事務所賃料支払いとガソリン給油の行列待ちから始まりました。家計費と事業経費を合わせると、年間で30万円を超える出費となるため、零細事業者には応えます。

そして、平成27年10月には、消費税率2%のさらなる引き上げが控えています。「消費税増税法等の附則第18条」では、この施行前に経済状況の好転につき、種々の経済指標による確認を行い、経済成長に向けた施策の実施状況を踏まえつつ、停止を含む所要の措置を講ずることが義務付けられています。では「種々の経済指標」とは何でしょうか?

東証株価指数や日銀経済短観などが重要な判断材料に

具体的に条文に例示されているのは「名目及び実質の経済成長率と物価動向」ですが、このほかに、東証株価指数や日銀経済短観などが重要な判断材料になると考えられます。株価は、国内景気や企業業績を先取りする比較性に優れた指標ですが、海外要因や投資家の思惑により、ロジックを外れた動きをすることがあります。これに対し短観は、全国の27業種約21万社の中から選ばれた1万社による景気判断なので、より経済実態を反映した有用性の高い経済指標と言われています。

4月1日に発表された短観は、増税前の駆け込み需要もあり全規模全産業のDI(業況判断指数)がプラス12と1992年11月以来の高水準で、四半期連続しての改善となりました。一方、目先3か月間の先行き判断は、28業種中25業種が大幅な業況悪化を予想。増税の影響と、駆け込み重要の反動に対する警戒感の強さがうかがえます。

公共工事を柱とする経済対策や新成長戦略で景気浮揚を狙う政府

政府も4~6月期の景気後退は必至と見ており、7~9月期のV字回復を図るため、公共工事を柱とする5.5兆円の経済対策を前倒しで実施の方針です。確かに公共工事は、GDP(国内総生産)を確実に押し上げる効果がありますが、化粧直し的な一時しのぎの対応では、かえって増税効果の実質を見誤る結果にならぬかと危惧されます。

もう一つの景気浮揚策が、6月に出される予定の「第三の矢」、すなわち新成長戦略の具体策です。実行計画の概要はすでに閣議決定しており、法人減税・投資促進税制の拡充・電力小売り自由化などの規制緩和・国家戦略特区の区域指定などが主な内容です。目新しさとインパクトに欠ける印象を拭いきれず、昨夏の再現で具体策が市場の失望を買うと逆効果になりかねません。

判断材料として「デフレギャップの縮小」も

このところ、日銀への追加金融緩和期待論が強くなっています。特に目立つのが低迷する株式市場からの催促です。確かに市場にあふれたお金で、地価や株価を押し上げる一定の資産効果はあるでしょうが、国内需要や雇用・賃金など本格的な景気回復への効果となると限界があります。黒田日銀総裁は、これまでのところ慎重な口振りに徹し、無用の言質は取られまいとのスタンスです。

首相の経済ブレーンである浜田宏一内閣官房参与は、消費税率10%引き上げへの判断材料として「デフレギャップの縮小」をあげています。デフレギャップとは、商品やサービスの潜在的供給力が実際の需要を上回った場合の両者の差を言いますが、「この縮小が確認できれば、再引き上げをしても良いのではないか」、裏返せば「現在のごときデフレギャップが存在する状態では引き上げるべきでない」との主張です。

財政再建はわが国の経済にとっての至上命題であり、後退したとの印象を与えれば市場は大混乱を来たします。ただ、再引き上げについては、増税によるマイナス効果を慎重に見極めて判断しないと経済が失速し、政権の屋台骨を揺るがしかねません。この年末、安倍政権にとっての厳しい選択が待っています。

老後に備えた資産形成や不動産活用を顧客目線で考える税理士

松浦章彦さん(<Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所)

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サイト売買に特化したM&Aアドバイザー

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