仕事中の昼寝、本当に体に良い?
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健康な成人では、レム睡眠とノンレム睡眠で一夜の睡眠を構成
お昼をご飯を食べた後、会社で妙に眠たくなることがあると思います。あるいは、家事の合間に「昼寝したいな」と思うことはないでしょうか?今回は、昼寝が本当に体に良いのかを考えてみましょう。
私たちの睡眠には、「ぐったり眠る」レム睡眠と、「ぐっすり眠る」ノンレム睡眠があります。レム睡眠は、体はぐったりしているのに、脳は覚醒に近い状態になっていて、夢を見ていることが多い眠りです。一方、ノンレム睡眠とは、いわゆる安らかな眠りです。健康な成人では、これら2種類の眠りが約1.5時間の単位をつくり、いくつかの単位がまとまって、一夜の睡眠を構成しています。最初の2単位、つまり寝入りばなの約3時間のあいだに、たいへん質の良い大切な眠り(深いノンレム睡眠 = 熟睡)が、まとめて出現します。以後は、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせとなります。
ヒトの概日リズムは実は25時間。できれば15~30分程度の昼寝を
ヒトの体には、サーカディアン(概日)リズムという体内時計があり、それにより夜間に眠気を発生させます。また、ヒトでは、約半日周期のリズム(サーカセメディアン・リズム)もあり、正午過ぎの一時期にも眠気が少し高まります。午前1時から4時と午後1時から4時が眠気の最も強くなり、交通事故の多い時間帯です。さらに、直前の睡眠不足量がその後の眠りの質と量を決定する生体システム(ホメオスタシス)があり、長く起きていなくてはいけなかった後に深い眠りをもたらしてくれます。
ヒトのサーカディアンリズムは実は25時間で、一日24時間との差を社会的に無理矢理ずらしているわけです。昼過ぎの眠気に逆らって仕事をすることによって、能率の低下、判断ミス、事故などが起こりやすいので、体が欲しているのであれば、可能であれば昼寝を取った方が休息となり、良いでしょう。ただし、眠りすぎると夜の睡眠の質が低下し、かえって疲れを残すので、短時間(15~30分程度)が望ましいとされています。ベッドに限らず、電車で寝るような感じで椅子にもたれかかったり、学生の居眠りのように机にうつ伏してでもかまいません。
我慢できない昼間の眠気が頻回に訪れるのは睡眠時無呼吸かも
特に、高齢者では、夜間睡眠が質的に低下しており、昼寝が必要な場合も多いのですが、寝過ぎにより夜間の睡眠障害を訴えることもあります。昼寝する時間(午後1~4時)や長さ(15~30分程度)にも注意しましょう。
最後に、急激に昼寝をしたいと思うときは、夜間に質のいい睡眠がとれていない場合が多いので、日常生活を規則的にすることが重要です。また、睡眠時無呼吸という、いびきを伴う病気もあります。急激に昼間に眠気がきて、昼寝をしても無呼吸のため、かえって体に負担をかけること。我慢できない昼間の眠気が頻回に訪れるのであれば、一度内科に相談を。
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