9地銀連携による中小企業へのメリットは?
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全国の9つの地方銀行が業務提携を発表
1月28日に、全国の9つの地方銀行が業務提携を発表しました。北海道銀行(札幌市)、七十七銀行(仙台市)、千葉銀行(千葉市)、八十二銀行(長野市)、静岡銀行(静岡市)、京都銀行(京都市)、広島銀行(広島市)、伊予銀行(松山市)、福岡銀行(福岡市)です。9行での情報交換を通じて中小企業支援を拡充して、全国展開するメガバンクに対抗する趣旨のようです。背景としては少子高齢化による地方経済の縮小や融資先の減少など地銀を取り巻く環境の悪化が取り上げられています。
販路拡大や仕入先の確保に役立つ情報を入手しやすくなる
さて、このような地方銀行間の連携が中小企業経営に与えるメリットとしては、第一に、全国各地の情報が入手しやすくなることです。例えば、ビジネスマッチングがあります。各地方銀行は地域に密着していますので、地方銀行間の連携が進むと、中小企業にとっても販路拡大や仕入先の確保に役立つ情報を入手しやすくなりそうです。また、他県に店舗や工場をつくるなどして進出する際に、立地など不動産関連の情報も得やすくなりそうです。
協調融資が期待が持てる。また、譲渡先を見つけやすくなる
第二に提携行による協調融資が期待できることです。協調融資は、銀行単独ではリスクを取りきれないような大型の融資案件について、複数の銀行が協力して融資を行うことをいいます。銀行側は貸し倒れのリスクを分散できると同時に、借りる側も多額の資金を一度に調達することができるというメリットがあります。地方銀行間の連携で、このような協調融資を受けやすくなりそうです。
最後に、近年は後継者不足ということもあり、中小企業の経営者の中には会社の売却を考えているケースもあると思われます。同じ地域の中では譲渡先を探すには限界もあります。これまではM&Aを専門としている会社に登録をしたり手数料が必要だったりしましたが、これからは地銀間のネットワークを通じて譲渡先を見つけることができるかもしれません。逆に、業容拡大をしようとしている会社にとっても、地銀間のネットワークを通じて、買収先を見つけやすくなりそうです。
戦略という視点で会社経営を支えるプロ
西谷俊広さん(西谷俊広 公認会計士・税理士事務所)
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