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部下をやる気にさせる「飲みニケーション」のコツ

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再び脚光を浴びている「飲みニケーション」

部下をやる気にさせる「飲みニケーション」のコツ

近年、「飲みニケーション」が見直されています。私のクライアントでも「社員旅行を復活してほしい」「もっと飲み会を催してほしい」といった声が多くなってきました。 理由として、「絆」や「対話」という言葉を耳にする機会が増え、社会全体が「人と人との関わり」の重要性を再認識しているのかもしれません。

本来、人間には「他者とつながっていたい」という欲求があり、日本では会社もその欲求を満たすコミュニティとして機能していました。しかし、バブル崩壊後の長期的な景気停滞によって「結果がすべて」という考え方が広がり、人間関係がギスギスするなど「会社は単に仕事をするだけの場」という風潮が蔓延しました。

「人間関係が悪いと、良い結果が生まれない」ということは明らかで、「報・連・相」などの基本的なコミュニケーションも図れないようでは、相乗効果を期待することもできません。働いていても楽しくないので離職率が高くなるのも当然です。

「飲みニケーション」を成功させる上司の3つの心構え

部下が上司と飲みたくないと思うのは、酒の席でも説教されるからです。「飲みニケーション」の最大の目的は、上司と部下の人間関係づくりです。まずは、部下の愚痴や不平不満、言い訳も含めて、すべて受け入れる姿勢が必要です。

東京大学准教授の中原淳さんの研究では、上司の「精神的な励まし」や「内省を促す問いかけ」が部下の能力向上につながり、「業務上の指導」はあまり関係がないという結果が出ました(※中原淳著「職場学習論(東京大学出版会)」より)。

これを応用すれば、「飲みニケーション」の場で上司が心がけることとして
(1)共感=部下の苦労や悩みを心から理解しようとする。
(2)問いかけ=答えを示すのではなく、部下への問いかけによって内省を促す。
(3)励まし=「一緒にがんばろう」「応援しているよ」という思いを伝える。
上記3つが挙げられます。

「また一緒に飲みたい」と思ってもらえる人間関係を構築

また、下記も部下の士気を上げるための大切なポイントです。

(1)席次も無礼講とし、役職や立場にとらわれない雰囲気をつくる。参加人数が多いときには、クジ引きなどで席を決める。
(2)お酒が飲めない部下に対して無理にすすめない。
(3)夜の飲み会に参加するのが難しい女性の部下には、ランチタイムを活用する。
(4)上司が会社の愚痴や不平不満を言わない。
(5)自分が若い頃の失敗談を話すなど、等身大の自分をありのままに開示する。
(6)飲み会の後(数時間後か翌朝)に「一緒にがんばろう」というメールを送るなど、アフターフォローを行う。

飲み会を「楽しい」と思ってもらうことが最も大切です。「また一緒に飲みたい」と思ってもらえるような人間関係があってはじめて、部下は上司の言葉に素直に耳を傾けるようになります。そうして培った信頼関係が、部下がやる気をもって働く土壌を作っていくのです。

経営者と社員の生きがいづくりを支援する専門家

福留幸輔さん(生きがいラボ株式会社)

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