その体の痛み、うつ病のサインかも
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痛みの原因は、はっきりとしているものだけではない
わが身を悩ます様々な痛みから早く解放されたいという感情は誰にでもあります。痛みは本当に辛いものなので、「すぐにでも無くなってほしい」「少しでも軽くなってほしい」と考えるのは普通のことです。たとえ痛みが消失しなくても、緩和・軽減するだけで「心身ともに楽になる」と、市販もしくは医療機関で処方された鎮痛剤を使用したことがある人も多いでしょう。
痛みには、外傷や疾患など原因がはっきりとしているものもあれば、原因がわからないものもあります。また、鎮痛剤が効果的な痛みもあれば、そうでない痛みもあります。
頭痛・腰痛・関節痛の背景にはメンタル不調が隠れている?
相談を受けていると、心因性による痛みが少なくないということがわかります。頭痛・腰痛・三叉神経痛・顎関節痛など、痛みを訴えているときは、鎮痛剤が効いているかどうかを確認するのと合わせて、うつ病の症状がないかをチェックする必要があります。痛みを訴えて医療機関を受診するときには、痛みの話に加えて、他の症状も伝えることを忘れないでください。特に睡眠に関してはとても重要です。自己判断せずに最近の睡眠について医師に伝えるようにしてください。
「いつもと変わらない睡眠かどうか(これまでと違う点はないか?)」
「なかなか寝つけなくなっていないか」
「睡眠の途中で、目が覚めることが増えていないかどうか」
「熟睡感があるかどうか」
痛みの裏にはメンタル不調が隠れているかもしれません。特に慢性的な痛みには、抗うつ薬が効果的な場合も多々ありますので主治医に相談するのが良いでしょう。
慢性頭痛や慢性腰痛に抗うつ薬が効果をもたらした事例も
抗うつ薬には、痛みに効果を発揮するものがあります。鎮痛剤だけでのコントロールが難しい場合は、抗うつ薬を試してみる価値はあります。私自身の経験では、外来患者で、それまでコントロールできなかった慢性頭痛や慢性腰痛に、抗うつ薬が効果をもたらしたことが数例続きました。
末梢組織に何らかの障害があると、知覚神経がそれを知らせるために刺激が脳へ伝わり、脳で痛みを感じます。また、痛みを抑制する神経回路があり、この痛み抑制に関わる神経伝達物質はノルアドレナリンとセロトニンです。抗うつ薬は、脳内にあるシナプス間隙のノルアドレナリンやセロトニンの濃度を高めて抗うつ作用を発揮し、痛みを抑制する鎮痛作用をもたらします。
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