格言では尻下がり。今年の株価はジンクスを破れるか?
株価の騰落率を見ると「格言も然り」
「辰巳天井、午尻下がり」。これは古くからの相場格言です。「株価は辰年に上昇し、巳年をピークに迎え、午年は下落する」という言われです。確かに、1972年から2013年までの株価の騰落率を年間比較すると、「格言も然り」という気持ちにもなります。

昨年は日経平均が年間で56%も上昇し、普段は株式に興味がない人もこれまでとは違う経済の力強さを感じたのではないでしょうか?身近なところでは、2020年のオリンピック開催に向けた「久しぶりの高揚感」を日本国民が感じた巳年であったかと思います。それが、「今年は尻下がりと言われる上に、4月からは消費税も上がるし、一気に景気もしぼんでしまうかも」と、不安になってしまうかもしれません。
アベノミクス3本目の矢が鍵を握る。さらなる円安ドル高にも期待
しかし、昨年の株価上昇は干支頼みであったわけではありません。アベノミクスの3本の矢の成果と言われています。そして、今年は3本目の矢「成長戦略」が、いよいよ真価を問われる一年です。市場に大量のお金を流す第1の矢が「大胆な金融緩和」、公共投資を軸とした第2の矢が「機動的な財政出動」、規制緩和で民間投資を促す第3の矢が「成長戦略」であり、これが成功してこそ、賃金上昇で消費も底上げされるだろうというシナリオです。
加えて、アメリカの金融緩和がうまく出口を迎えられれば、今後、金利上昇が見込めるドルが買われるでしょうから、さらに円安ドル高になり、日本の株式市場に良い方向に進むという期待感も高まっています。
投資家として有利な条件で株価上昇の恩恵を受けられる環境も
株価を完璧に予想することは不可能ですが、自分なりに経済のシナリオを考えることは、一社会人として、とても大切なことです。少なくとも経済が良くなれば私たちの暮らしは良くなりますし、借金に苦しむ国の財政状況が良くなれば、社会保障などの部分にも改善が見られるかもしれません。
今年から税制優遇が受けられるNISAや、節税しながら自分年金作りが可能な確定拠出年金などの掛金の拡大など、投資家として有利な条件で株価上昇の恩恵を受けられる環境も増えてきています。経済活動を担う一員として、株式市場の動向にも注目したいものです。
※図:「干支年の日経平均株価の年間騰落率(平均)」/出典:ニッセイアセットマネジメント
年金・資産運用に強い独立系ファイナンシャルプランナー
山中伸枝さん(株式会社アセット・アドバンテージ)
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